コーヒー豆って、同じ産地でもいくつも種類があるのはなぜ?
と、感じたことはありませんか。
たとえば、豆名の最後の~ナチュラル、~ウォッシュドなどの表記。
これは精製方法の違いで、よく見られるのがエチオピアのコーヒー豆。
別名”モカ”とも呼ばれるフルーティな風味、華やかな酸味が特徴のコーヒーです。
精製方法の違いでそこまで味が変わるの?と思うかもしれませんが、
実際、全く変わります。
たぶん、コーヒーにそこまで詳しくない人だったとしても、一口飲めば「あっ!?違う」ってなると思う。
そこで今回は代表的な精製方法であるナチュラルとウォッシュドの味の違いを、エチオピアのコーヒー豆で比較してみようと思います。
ナチュラルとウォッシュドの違い
ナチュラルやウォッシュドとは、コーヒーの精製方法のこと。
コーヒーチェリーと呼ばれる果実から種子(コーヒー豆)を取り出す際に、どのような精製過程を辿るかで呼び名や味わいが変わってきます。
ナチュラル精製
ナチュラルは古くから行われているシンプルな精製方法。
まず、収穫したコーヒーチェリーをそのまま天日干しし、満遍なく乾燥させる。
そうして乾燥後、脱穀しコーヒー豆を取り出すといった方法です。
10日~30日ほどの乾燥期間が必要なため、主に乾季がはっきりしている地域で行われています。
乾燥過程でチェリーが発酵するため、種子であるコーヒー豆にも独特の風味が残りやすいのが特徴です。
この独特の発酵感は好き嫌いが分かれることも。
ナチュラル精製の特徴
- 芳醇、発酵感、個性的な味わい
- 独特のフレーバーを放つ
- コクや甘みが強い
- 好き嫌いが分かれやすい
ウォッシュド精製
ウォッシュドがナチュラルと大きく違うのは、乾燥前にしっかり洗うという点。
収穫したチェリーは、乾燥前に機械を使って外皮や果肉を取り除きます。
その状態では周囲がヌメヌメしているため、水槽に漬けてヌメヌメを落とす。
そうしてキレイにしてから乾燥、脱穀しコーヒー豆を取り出すという方法。
洗ってから乾燥させるため、クリアな味わいになり酸味もこちらの方が際立ちます。
クセが少なく飲みやすいですが、味のインパクトも薄まります。
ナチュラルに向かない降雨量が多い地域でも精製できるよう考案された方法で、乾燥期間は数日~1週間ほど。
ウォッシュド精製の特徴
- スッキリ、クリアな味わい
- 酸味を感じやすい
- クセが少なく飲みやすい
- 味のインパクトは薄い
飲み比べてみた
ナチュラルとウォッシュドの飲み比べ。
以前紹介した銀河コーヒーさんで同じ国、同じ地域、同じ農園の精製方法違いの豆があったので、そちらで飲み比べてみます。
モカ イルガチェフ ナチュラル
- 生産国 エチオピア
- 地域 イルガチェフ地方
- 農園 コチャレ地域小規模農園
- 精製 ナチュラル
こちらはエチオピア(モカ)のナチュラル精製のコーヒー豆。
芳醇で発酵感があり、印象的な香りです。
一口で完熟したフルーツを思わせる風味が口いっぱいに広がります。
好き嫌いが分かれる要因でもある日本酒やワインのような独特の発酵感があり、インパクト強め。
角が取れて丸みを帯びている感じの優しい口当たりです。
甘みが特に目立っており、その分酸味は控えめ。
まだ飲んだことがないという方は、ぜひ一度試してみることをおすすめします。
モカ イルガチェフ ウォッシュド
- 生産国 エチオピア
- 地域 イルガチェフ地方
- 農園 コチャレ地域小規模農園
- 精製 ウォッシュド
こちらはエチオピアのウォッシュド精製のコーヒー豆。
豆の中心の白っぽい線(センターカット)が特徴的。
華やかな香りに加え、爽やかさも感じられます。
苦みの感じは似ていますが、酸味はこちらの方が目立っている印象。
豆自体の芯の部分のフルーティさは共通していますが完熟感のあるナチュラルに比べ、瑞々しさがある気がします。
口当たりは軽く、後味はスッキリ。
全体的にスッキリまとまっていて、飲みやすい味わいです。
ナチュラルと比べるとインパクトは控えめですが、”コーヒーらしさ”はこちらの方が感じられ、コーヒーらしさとフルーティ感の両方を味わえます。
ナチュラルよりも飲みやすいので、初めての方にもおすすめ。
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