つい最近手に入れたTIMEMOREのSLIMPlusという手挽きミル。
軽いだけかと思ったら、これが思いの外サクサク挽けて粒度も揃って、挽目も優秀なミルでした。
そこで今回は、同じくタイムモアの同価格帯ミルであるC3PROとの比較してみようと思います。
使用感の違い

[本体の違い]
本体部分(ハンドルなし)のサイズはC3PROが約145mm、SLIMPlusが約160mmで、SLIMPlusの方が約15mm背が高く、
直径はC3PROが51mm、SLIMPlusが45mmと、SLIMPlusの方が約6mm細い。
重さ(ハンドル込)はC3PROが約572g、SLIMPlusが約437gと、SLIMPlusの方が約135g軽い。
実際に持ったり握ったりしてみると結構印象が違って、
C3PROは全体的に重みを感じるのに対し、SLIMPlusは本体上部が重く下部(粉受け)が軽め。
挽くときに握る位置にちょうど重心がくる感じで、手にしっくりきます。


重さはC3PROの方が上ですが蓋やボディの一部がPP製のC3PROに対し、SLIMPlusはハンドルつまみ以外すべて金属製。軽いのに剛性もあります。
[粉受けの違い]
SLIMPlusの粉受けは個体差なのか軽さゆえか、金属のこすれ音が響く感じがあり、C3PROに比べて噛み合わせの悪さも気になりました。
(金属音は使ってるうちに段々気にならなくなりました)
C3PROの粉受けはそういったことがなく、ネジ巻数が少ないので脱着は非常に簡単です。
[ハンドルの違い]

C3PROの特徴の一つでもある折り畳み機能。
コンパクトにまとまるので置いていても場所を取らず持ち運びにも便利。
SLIMPlusのハンドルはシンプルな形状ですが、本体に合わせてつまみがやや小さめに作られています。
内部はこんな感じ。

C3PROは蓋を開けてすぐシャフトの支えで仕切られていて、その仕切が刃まで続いているため豆の偏りが出やすい。

一方、SLIMPlusは真ん中あたりに支えがあるだけなので、中に満遍なく豆が入ります。
そのせいもあってか、挽くスピードはSLIMPlusの方が速いです。
挽き感もSLIMPlusの方が力がいらず、軽々として挽きやすいです。
刃と挽目
C3PROにはS2C660刃、SLIMPlusにはE&B刃という刃がそれぞれ使われています。
S2C660刃はNANOやSlim3などにも使われているタイムモアのスタンダード的な臼刃。
E&B刃はエスプレッソとドリップ両方に対応した刃となっていて、微粉の発生やメッシュのブレにも強い刃となっています。

左がS2C660、右がE&B刃。
見た目の違いとしてはS2C660刃は6角、E&B刃は5角、そして上部の刃の形状が特に異なります。
S2C660刃の方は上と下で大きく2段構成のようになっているのに対し、E&B刃は上から下まで一体となって砕くような形。
この違いが挽目にどのように影響するのか。
それぞれの挽目の目安は以下の通り。
- C3PRO
- エスプレッソ 7-8
- ハンドドリップ 13-16
- フレンチプレス 17-20
- SLIMPlus
- エスプレッソ 8-11
- プアオーバー 15-19
- フレンチプレス 20-22
細挽きで比較してみるとこんな感じ。
- 〈左 C3PRO 7クリック〉
- 〈右 SLIMPlus 8クリック〉

C3PROの方はドリップ用の細挽きくらいの粗さで、エスプレッソに使うならもう少し細かく挽きたいところ。
SLIMPlusはエスプレッソ対応というだけあり、C3PROと比べるとかなり均一。粗さもちょうどいい感じ。
上を求めればまだまだありますが、普段用なら十分な印象。
続いて中挽きで比較
- 〈左 C3PRO 14クリック〉
- 〈右 SLIMPlus 17クリック〉

ドリップ用の中細挽きくらいの挽目で、C3PROの方がややバラつきがあるかなという感じ。
ただそれよりも微粉の量がSLIMPlusの方が明らかに少ない。
試しに飲み比べてみると、SLIMPlusで挽いたものの方がスッキリした感じがあり、酸味もわかりやすかったです。
最後に粗挽きで比較
- 〈左 C3PRO 20クリック〉
- 〈右 SLIMPlus 22クリック〉

こちらも中挽き同様SLIMPlusの方が微粉が少なめ。
粒度は細挽きや中挽きに比べてどちらもバラつきが目立ちますが、普段使い程度なら気にならないレベルに思います。
どんな人におすすめ?
タイムモアのミルはどういった点が優れているのか、どちらが上位機種なのか判別しにくいところがありますが、C3PROとSLIMPlusではSLIMPlusの方が上位機種のような印象を受けました。
ミルの要である挽目や微粉の少なさはSLIMPlusの方が優れていると感じ、エスプレッソにも対応してるだけあって特に細挽きになるほど違いが顕著に現れたように思います。
また、持ったときのバランス感や挽くスピード、見た目や握りやすさは好みが分かれるかもしれませんが、私はSLIMPlusの感じが好きです。
C3PROの利点をあげるとするなら、
- ハンドルが折り畳み式でコンパクトにまとまること。
- 粉受けの脱着が容易なこと。
価格的にもほとんど同程度なため、どちらか一つを選べといわれたら私はSLIMPlusを選ぶと思います。
ただ、あくまでSLIMPlusと比べると見劣りするというだけで、普段用としてなら十分な性能を持っていると思います。
先程の利点にこだわりがなければPROでない通常のC3が数千円ほど安く、コスパ重視ならこちらもおすすめ。
逆に、C2やC3からのグレードアップ、ドリップでもエスプレッソでも使いたいなどの方であればSLIMPlusはおすすめの1台。
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