CAFECの新作ドリッパー「オーバル」が発売になり、ついにフラワーシリーズが完結。
派生元であるフラワードリッパーから大きく見た目が変わり、円錐型から台形(扇形)型へと進化しました。
そこで今回は両者の比較をしてみたいと思います。
オーバルとフラワー
オーバルは台形型、フラワーは円錐型をしたドリッパー。
ドリッパーを上側と下側で分けてみてみると、オーバルの方がやや楕円形をしてますが上側部分にはそこまで大きな違いはありません。
フラワーリブの数もどちらも一緒。
違いは下側にいくにつれて顕著になり、オーバルの方がドリッパー側面の角度が鋭くなっています。
抽出穴はフラワーの方が3倍くらい大きく、オーバルにはドリッパーの底にペーパーが干渉しないよう穴周辺に線状のリブが追加されています。
フラワーは抽出したコーヒーをそのまま下に落とすかたちになり、オーバルはいったん底で受け止めた後、徐々に落としていくような抽出になります。
ちなみに、オーバルはドリッパーサイズがアップすると穴の数も1→2にアップします。
淹れやすさと味わいの違い
淹れ比べてみて感じた両者の一番の違いは、ドリッパー内での粉とお湯の触れ合い方だと思う。
オーバルはフラワーに比べて、ドリッパー内で粉とお湯が混ざり合う時間が増えたことで満遍なく味を引き出しつつ、抽出のブレを抑えやすいメリットを得た感じ。
味わいも最近トレンドな浸漬式傾向なものに仕上がりやすい。
逆にフラワーは自由度が高く、苦味、酸味、甘味など、味のバランス調整がしやすい。
素早く落としてスッキリ、ゆっくり落としてどっしりなどの味の質感も変えやすい。
一緒に購入した「中塚社長ブレンド」で淹れ比べてみたところ、オーバルの方が飲みやすく味に丸みのありで、フラワーは味がハッキリしていて苦味もしっかりしているように感じました。
フラワーは豆の持っている味を個別に引き出しているのに対し、オーバルは豆全体から味を引き出しているようなイメージです。
おすすめの選び方
フラワーはとにかく自由度が高く、基本的に素早い抽出が得意。
抽出後半もスピードが落ちにくく、浅煎りのような詰まりやすい豆でも淹れやすいです。
CAFECの豊富なペーパーラインナップと組み合わせれば、さらに抽出の幅が広がります。
ただ、その分再現性は低めで慣れない内は味のブレを感じる場面も多いかもしれません。
オーバルはというと、フラワーの特徴である自由度をやや削りデメリットだった再現性の低さをカバーしている印象。
自由度はやや下がるものの遅すぎず速すぎずのスピード感をドリッパー側が維持してくれる感覚です。
この辺は「焙煎度別ペーパー」とも似ている。
スピード感的には「フラワードリッパー」+「アバカプラスフィルター」の組み合わせに近いです。
ドリップに不慣れな方でも抽出ムラが起きにくく、豆全体から味を引き出すという点にも優れ、スペシャルティのような豆ならこちらの方が美味しく淹いるのかもしれない。
フラワーでもペーパーとの組み合わ次第で似た抽出は可能ですが、「これ一台で完結させたい」という方はオーバルがおすすめです。
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