コーノドリッパー3種の中で特に初心者向きといわれているのがMDK型。
理由は抽出スピードの遅さ。
KōNO(コーノ)が創業90周年時にMDN型のリブをさらに短くし、
誰でも安定して抽出できるように改良されたモデルになります。
どんなふうに注いでも一定の速度で抽出されるため、安定したコーヒーが淹れやすい。
実際使ってみて、同じコーノでもMD型やMDN型とは全く異なる感じで、特にMD型とはほぼ別物といっていいほど。
一体どんな使い方に向いているのか?
色々と試してみました
MDK型の特徴

コーノのドリッパーはリブの長さごとにMD型、MDN型、MDK型の3種類があり、
MDK型は最もリブの短いタイプになります。
MDで半分近くあったリブは底付近まで短くなり、ドリッパー上部はほとんどツルツル状態。


これが何を意味するかというと、
リブのない部分はドリッパーとペーパーがピッタリ張り付き、中のお湯はせきとめられてリブのある底付近に到達してようやく下に落ちる形に。
すると、こんな感じでお湯が滞留して非常にゆったりとした抽出になります。

MDやMDNは”滞留気味”といった感じでしたがMDKはしっかり湯溜まりが発生。
よほどゆっくり注がない限り一定の速度で流れていくため個人差が生まれにくく、
誰でも安定したドリップができるのがメリット。
逆に、注ぎ方の緩急による味の変化は付けにくく、細かな味の調整がしにくいのがデメリットになります。
意外と、自由度は低くない?
では、使い勝手が悪いのかというと意外とそんなことはない!
基本的に抽出速度の遅いコーノの中でもMDKは飛び抜けて抽出が遅い。
MDやMDNは遅いながらも透過式らしいお湯の流れがあったのに対し、MDKは浸漬式のように湯溜まりの中で抽出する形になり、
どちらかというと、MDやMDNよりもアロマフィルター(メリタ)やMUGEN(ハリオ)に近い。
では、1湯抽出は可能なのか?
試してみると、
- 豆量 14g
- 注湯量 200ml
- 蒸らし 30秒
の条件で、抽出が線から点滴に変わったタイミングで大体2分前後くらい。
1湯抽出らしいややスッキリめでバランスが良い味わいで、抽出時間、味わいともにアロマフィルターやMUGENに近い。
ちなみに、MDK-21(1~2杯用)の場合は一気に注ぐなら250mlくらいが限界に感じました。

もう一つ、コーノといえば点滴抽出。
こちらは1湯とは対照的にしっかりめ。
全体的に濃い目ですが、特に苦味が突出しています。
1湯抽出とはまた違った感じで、これはこれで美味しいです。

と、こんな感じで、抽出時の微調整は不得意でも抽出方法の幅は広いのがMDK型の特徴。
意外と面白みのあるドリッパーです。
安定感があるので初心者の方はもちろん、玄人の方でも遊べるドリッパーなのかなと感じました。
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