『コーノ式ドリッパー』といえば、ドリッパーの中でもかなり玄人向けの印象で、ちょっと手が出しにくかったけど、やや初心者寄りとなって扱いやすくなった『MDN』というタイプを使ってみました。
コーノは円錐ドリッパーの元祖ともいわれ、当時は深煎りが中心だったこともあり、
深煎りをより深く、どっしりと落としたいときにおすすめのドリッパー。
KōNO(コーノ)とは?
KōNO(コーノ)は、1925年創業のコーヒー豆焙煎加工とコーヒー器具のメーカー。
2025年には創業100年目に突入する老舗中の老舗。
実は公式サイトでは焙煎豆も購入でき、意外と知らない人も多い。
コーノは実験器具のようなあのコーヒーサイフォンの元祖であると同時に、円錐型ドリッパーの生みの親でもある。
コーヒーの持ち味を素直に引き出すという点を意識し、”ペーパーでネルに近い味わいを再現する”というコンセプトで作られた「名門フィルター」は、玄人に人気のドリッパー。
お湯を”線”ではなく”点”で落として抽出する「コーノ式」と呼ばれる淹れ方とともに、コーヒー好きにファンも多い。
KōNO名門フィルター『MDN』
コーノ式ドリッパーには3種類のタイプがあり、玄人向けだった名門フィルター「MD」をリニューアルし、ある程度の技量でもクリアな味わいを再現できるようになったのが「MDN」。
より初心者向けに改良された「MDK」とプロ向けの「MD」の中間にあたる存在。
こちらは1~2杯用のMDN-21(2022年秋モデルカラー)
底の抽出口もMDよりやや狭くなっていて、これも3種の中で中間。
コーノ式ドリッパーの特徴は、コーヒーの旨味を最大限に引き出し、かつ雑味やエグミのないクリアな味わいが出せる点。
粉の層を厚くできる円錐型の特性を活かし、ゆっくりお湯を落とすことで、しっかりとコーヒーエキスを抽出できる。
前半ゆっくり後半素早くという、コーノ式の淹れ方に合わせた作りとなっていて、じっくり時間をかけるので深煎りとの相性がいい。
抽出を促すリブは底付近にしかない。
上部までない理由はコーノ式特有の後半に満水にする淹れ方をした際に、フチから泡の成分(アクなど)が漏れ出ないようにするため。
MDNで淹れたコーヒーの味
普通に淹れてもいいけど、せっかくなのでコーノ式にチャレンジしてみようと思う。
初めてなので、珈琲考具の極細ポットの力を借りて。
コーノ式はまず、中心にポタポタと点滴でお湯を落とす。
蒸らしはなしで、カップに薄っすらコーヒーが溜まるまで。(目安は30~60秒)
今度はお湯を細い線に変えて、500円玉くらいの範囲で注いでいく。
1/3量ほど溜まったら、ドームが維持できる程度に湯量と範囲を徐々に増やしていく。
2/3ほど溜まったら、ドリッパー内をお湯で満たすように一気にお湯を注ぐ。
(ここでリブが活きてくる)
全量溜まったら、お湯が残ってるうちにドリッパーを外して出来上がり。
(お湯が足りない場合は、注ぎ足して満水状態を維持する)
まず感じたのは、ドッシリとした苦味。
そして、全体的に丸みのある質感。
フラワードリッパーで淹れたときに少し似ている。
抽出の難所は、やはり最初の点滴フェーズ。
点滴状態を維持するのが難しく、ドッとお湯が出てしまうので気を抜けない。
何度か点滴を切らしてしまったけど、その辺はMDNの恩恵もあり、初めてにしては美味しく淹れられたんじゃないかと思う。
ハリオ V60との違い
非常によく似たドリッパーに「ハリオ V60」がある。
大きな違いはリブ。
長さはV60が一番上までついているのに対し、MDNは底から3cmのところまで。
また、V60は渦を巻いているのに対し、MDNは直線。
本数は12本で同じだが、V60は上部に短めのリブが追加されている。
底穴もV60の方が大きく、よりスピード感が意識されている印象。
使い分けるなら、
- 普通の淹れ方をする、浅煎り~中煎りを淹れるならV60、
- コーノ式の淹れ方を最大限活かしたい、深煎りを淹れるならMDN
という感じが良いように思う。
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