人気の円錐ドリッパーの中でも、特に人気なのがV60ドリッパー(ハリオ)とフラワードリッパー(CAFEC)の2機種。
現在愛用中という人も多んじゃないでしょうか。
どちらも円錐型で大きな一つ穴という点でよく似ていますが、実際にどれくらい違いがあるのでしょうか。
以前も少しだけ触れましたが器具回りのアップデートもあったので、あらためてじっくり比較してみようと思います。
形や素材の違い
V60ドリッパーの特徴
- スパイラルリブ
- 素材の種類が豊富
- 価格が安い
フラワードリッパーの特徴
- フラワーリブ
- ペーパーの種類が豊富
- トライタン素材がある
上端から台座までの長さは、
- V60が約6.8cm
- フラワーが約6.1cm
V60は名前にもある60度のドリッパー角が特徴で、フラワードリッパーよりも鋭い角度です。
ドリッパーの角度は鋭いほどコーヒーの粉層も厚くなり、しっかりした味わいになりやすい。
並べてみるとよくわかります。

抽出穴はサイズが大きいほど抽出のスピードも速い。
サイズは
- V60が約1.9cm
- フラワーが約2.0cm
と、フラワーの方が少しだけ大きめ。

そして、ドリッパーのキモとなるリブの違い。
基本的にリブは長さや深さがある方がお湯が速く落ちるんですが、V60の方が長さがあり深さはフラワーの方があります。

V60のリブは、渦を巻くように上から下まで続いているスパイラルリブ。

フラワーのリブは花びら型をしたフラワーリブ。
V60と違い彫り込み型になっています。
美味しさの違い
淹れ比べてみました。
落ちるスピードはV60の方が少しだけ速く、味はフラワーに比べてスッキリめ。
お湯を注いでから下に落ちるまでのスピード感がなんだかしっくりきます。
その他の特徴としては、非常に飲みやすく、特に酸味がしっかり出ているなと感じました。

フラワーはというと、V60よりまろやかさがあり、苦味が柔らかい印象。
全体的なバランスも良いと感じました。

どちらも”飲みやすい味”が意識されている印象ですが、テイストが全く異なり、
- V60は”スッキリさ”や”キレ”を意識した飲みやすさ
- フラワーは”まとまりの良さ”を感じる優しい飲みやすさ
といった感じ。
どちらかというと、個人的にはフラワーの味が好みです。
毎日飲んでいても飲み疲れない感じが自分に合っている気がします。
(スペシャルティコーヒーならV60が相性良いかも)
扱いやすさの違い
扱う上でのポイントは、素材の違いが大きいように思います。
V60は、
- 陶器
- AS樹脂
- ガラス
- ステンレス
- 銅
フラワーは
- 陶器
- トライタン
というラインナップがあり、V60の方が選択肢が豊富。
”価格重視派”の方は陶器やAS樹脂製が安く、インテリアとしても映える”見た目重視派”ならガラス、銅あたりがおすすめです。

一方、フラワーにはトライタンという選択肢があります。
トライタンは一言で言うなら、高性能プラスチックのような素材。
耐熱耐冷に優れ衝撃やアルコールにも強く、パッと見は普通のプラスチックですがAS樹脂よりも透明度が高く弾力もあって壊れにくい。
耐熱温度は100℃近くあり、アツアツのお湯をかけてもへっちゃらです。

ただ、使い勝手は◎なんですが、着色が目立ちやすく、価格がやや高めなところが欠点です。
素材の他にもう一点。
フラワードリッパーを製造するCAFECは、アバカフィルター、焙煎度別フィルター、アバカプラスといったペーパーフィルターの種類が豊富。
それらのペーパーを使いたい、性能を最大限活かしたい、という方ならフラワードリッパーと組み合わせるのがベスト。
おすすめはどっち?
どちらも抽出スピードが速く、自由度の高さが特徴のドリッパー。
選ぶ際のポイントとしては、
V60ドリッパーがおすすめな人
- スッキリ、キレのあるコーヒーが好き
- より酸味を感じたい
- 価格重視
- 素材の選択肢が欲しい
フラワードリッパーがおすすめな人
- まろやかで優しいコーヒーが好き
- トライタンを使ってみたい
- ペーパーはCAFECのものを使いたい
という点かなと思います。
V60は酸味や甘みが強くキリッとしたコーヒー、フラワーはまろやかで柔らかいコーヒーに仕上がります。
個人的にはV60の方が淹れやすく、味はフラワーの方が好み。
なので、両方持つのも全然ありに思います。(むしろおすすめ)
ちなみに、トライタンの着色が気になる方は、ブラックの方が目立ちにくいです。
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