よく「コーヒーの酸味が苦手」「コーヒーを飲むと胸焼けする」というのを耳にする。
その原因の9割は、「劣化した豆を使っているから」
と個人的には思う。
同じ「酸味」でも、「フルーツの鮮やかな酸味」と「食べ物が腐った酸味」では全く違う。
実はコーヒー豆も生鮮食品であり、それだけ「コーヒー豆の鮮度」は重要になってくる。
今回は、『コーヒー豆が劣化する3大原因』と『その対策』について解説します。
【今回の内容】
- コーヒー豆の劣化の原因
- 劣化を抑える対策
- 劣化を気にせずに済む方法。
コーヒー豆が劣化する3大原因
コーヒー豆の劣化の原因は大きく分けて3つある。
【原因1】ステイリング
「ステイリング」という言葉はあまり耳馴染みがなく、私も最初聞いたときは??となったけど、要は吸湿のこと。
コーヒー豆が「湿気る」ことで、焙煎時に飛ばした水分が戻り、水抜きが不完全のあの嫌な酸味がでてきてしまう。
コーヒーを淹れた後も油断はできない。
淹れてそのまま放置しておくと、周囲の湿気を吸ってどんどん酸っぱくなっていってしまう。
「淹れたてが一番美味しい」なんていわれるのは、そのため。
3つある原因の中で最も進行が速く、保存容器に入れず晒っぱなしにしておくと、常温で1~2日で味が変化する。
対策としては、外気の入らない密閉容器での保存がオススメ。
また、低温保存も有効。
冷蔵庫や冷凍庫に入れておくことで、常温よりも進行を遅らせることができる。
注意点は、取り出すときの結露。
冷たいコーヒー豆によって周囲の空気が冷やされ結露ができるので、素早い出し入れが必要。
【対策】
- 密閉容器に入れる。
- 冷暗所に保存する。
- 冷蔵庫の場合は、結露が生じる前に素早く出し入れする。
- 冷凍庫の場合は、1回分ごとに小分けしてその都度取り出す。
【原因2】コーヒーガスの損失
コーヒー豆の内部は多孔質になっていて、焙煎することでそこに香りや炭酸ガスが詰め込まれる。
豆を挽くことでこれらが一気に開放され、お湯をかけたときにモコモコと膨らむ。
だけど、粉にするとそれだけガスの損失が速まるというデメリットもある。
挽きたてが重要な理由がまさにこれ。
豆を挽くためのコーヒーミルがあると解決出来るので、ぜひとも1台持っておくことをおすすめ!
[コーヒーミルの選び方]
[手動ミルのおすすめ]
[電動ミルのおすすめ]
豆のままだと、常温で2週間ほどで味に変化を感じるようになる。
対策としては、密閉容器に入れて気密性を保つこと。
豆の外にガスが抜けにくくなる。
特に香り成分は損失しやすく、しだいに豆の特徴が失われていく。
また、炭酸ガスが少ないとお湯をかけても膨らみにくく、粉の間をお湯が透過しにくくなる。
結果抽出に時間がかかってしまい、雑味の原因に。
逆に炭酸ガスが多すぎると、粉とお湯があまり接触せず透過するので、焙煎当日は「何か味気ない」感じに。
早めに飲み切ることも大切だけど、あえて1,2日置くのもアリだったりする。
【対策】
- 密閉容器に入れる
- 淹れる直前に挽く
- 早めに飲み切る
- あえて、1,2日置くのもあり
【原因3】酸敗
ステイリングと混同しがちだけど、こちらはコーヒー豆の酸化。
これが一番耳馴染みがあるんじゃないでしょうか?
焙煎したコーヒー豆は、時間が経つと表面に油が浮いてきて、その油が空気と触れて酸化が進む。
だんだんと酸敗臭が発生し、phも低下するので嫌な酸味も出てくる。
原因は表面の油なわけだから、油が浮き出てくる深煎りのほうが酸敗は進行しやすい。
進行速度は3つの中で最も遅く、変化を感じるまで常温で2ヶ月ほど。
温度が高いほど進行が速く、低温保存や太陽などの「光」にあてないなどが有効。
【対策】
- 低温保存する
- 光にあてない
- 脱酸素剤を使う
【まとめ】劣化の原因と対策
コーヒーの主な劣化の原因は、
【ステイリング】
- コーヒー豆は、湿気ると酸っぱくなる。
- 淹れた後も長時間放置すると、酸っぱくなる。
- 進行が速く、保存容器に入れないと常温で1~2日。
【コーヒーガスの損失】
- 香りが失われ、特徴のないコーヒーに。
- 炭酸ガスが失われると、粉が膨らまず雑みが出やすい。
- 常温で2週間ほど。
【酸敗】
- 豆表面の油が酸化し、嫌な酸味が出る。
- 焙煎が深いほど、進行が速い。
- 進行自体は遅く、常温で2ヶ月。
対策としては、
【対策】
- 密閉容器に入れる。
- なるべく早く飲み切る。
- 低温保存する。
- 光にあてない。(豆を温めない)
- 脱酸素剤などを使う。
適切に保存すれば、常温でも2週間程度は美味しく飲めるけど、最も大事なのは劣化する前に飲み切ること。
これらの劣化は挽いて粉にすると進行が5~10倍速まるので、淹れる直前に挽くことも大切。
また、コーヒー豆は焙煎して火を入れることで、美味しさを引き出す代わりに劣化も速まる。
(焙煎前の生豆の状態だと、適切に保存すれば2~3年はもつ。)
「焙煎豆」で長期保存するよりも、「生豆」で保存し、飲みきれる分を自分で焙煎するのが私のオススメ。
自宅焙煎は意外と簡単にできるので、興味がある方はよければ参考にしてみてください。
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