スピード感のある抽出やまろやかな味わいで人気のCAFEC「フラワードリッパー」
このドリッパーを筆頭にした”フラワーシリーズ”が、昨年末発売のオーバルをもって完結しました。
元々はフラワードリッパー1台のみだったところ、DEEP27やDEEP45の登場でシリーズ化。
現在はいくつかの選択肢が生まれたことで、そのときの用途やどんなふうに淹れたいかによって使い分けができるようになりました。
それにより「自分にベストなフラワーはどれなの?」という問題に行き当たっている方もいるかと思います。
そこで、今回はフラワーシリーズの魅力やそれぞれの特徴、おすすめの使い方などを解説したいと思います。
フラワーシリーズとは?
フラワーシリーズはフラワードリッパーをはじめ、その派生型も含めたドリッパー類がそう呼ばれています。
現在CAFECのフラワーシリーズは、
- フラワードリッパー
- DEEP27
- DEEP45
- オーバル
の4種が存在しています。
シリーズの共通点は、ドリッパー内部をくり抜いた彫込型のリブ(フラワーリブ)。

他メーカーのドリッパーによく見られる隆起リブと違い、ドリッパーとペーパーの間にしっかり空気層ができるのが特徴。
それにより、お湯を注いでもピッタリ張り付くことがなく、最後まで抽出のスピード感を維持できます。
素早い抽出ながら、まろやかな味わいも持ち合わせてるところも魅力の一つです。

また、ドリッパー素材にトライタンが使われている点も特徴的。
(他メーカーはほとんどAS樹脂製)

トライタンはAS樹脂に比べ、
- 耐熱耐冷に優れる
- 軽量かつ衝撃に強い
- アルコールに強い
- BPAフリー
などのメリットがあり、やや傷や汚れが目立ちやすいという見た目上の問題はありますが、
熱々のお湯を注ぐ、急冷する、洗い物をするといった使い勝手の面ではかなり優秀な素材。
それぞれの特徴と違い
フラワードリッパー
フラワーシリーズの元祖。
シリーズではスタンダードに位置し、迷ったらこれを選んでおけば大きくハズすことはないかと思います。
先程もいったような素早い抽出が得意で、味わいはまろやか。
自由度の高さが魅力の円錐型のドリッパーという点に加え、CAFECでは円錐ペーパーの選択肢が非常に豊富なため、
組み合わせるペーパーの種類によっては、
- T-92を使ってあえてゆっくり落とす
- T-90と1~2杯サイズを使って3杯分淹れる
などなど、抽出を細かくコントロールすることもできる。
シリーズ内に限らず、数あるドリッパーの中でも屈指の自由度を誇ります。
DEEP27
フラワードリッパーを1杯用に特化、改良したのがDEEP27。
フラワードリッパーを含め、ドリッパー類は1杯や1~2杯のような表記となっていますが、
実際に1杯分を淹れるとなると、お湯が早く落ちすぎたり、粉量が少なくて物足りない味になったりと、これが中々難しい。
DEEP27は横幅を圧縮し縦長となったことで、粉層がさらに厚くなりリブや抽出穴も最適化。
真ん中一点抽出することで、少ない粉量でも濃厚で味わい深いコーヒーが淹れられるようになりました。


ただし、それ合わせて専用ペーパーとなったので、通常の円錐ペーパーとの互換性はなし。
一人暮らしのような普段1人分しか淹れない方であれば、フラワーよりこちらがおすすめ。
また、粉量が多く抽出量は少ない急冷式アイスコーヒーを作るときにも活躍してくれます。
DEEP45
DEEP45はフラワードリッパーの上限である2~4杯用のさらにその上、3~7杯用となっています。
DEEP27とは反対に複数杯向けに特化したイメージです。
元々あったDEEP DRIPPER PROというドリッパーが進化、改良され、フラワーシリーズへ統合された感じ。
ただサイズアップしただけでなく、ドリッパー角を45度(フラワードリッパーは60度)に狭めたことでよりコク深いコーヒーが淹れられます。
粉量が少ないと淹れにくいという話をしましたが、逆もまたしかり。
思い通りに抽出が進まず雑味のあるコーヒーになりがち。
しかしフラワーの持ち味であるスピード感はそのまま、クリアな味わいも実現。
3~7杯という杯数を淹れる方であればとてもおすすめなんですが、逆にいうと3~7杯でないとこの味わいが出せないため家庭用としてはややオーバーサイズに感じます。
(どちらかというと業務用なイメージ)
DEEP27と同じく専用ペーパーが必要で、使う人を選ぶ器具ではあります。
オーバル
フラワーシリーズの締めくくりとして登場した扇形型ドリッパー。
元々、私も愛用していたスリーフォーという扇形型ドリッパーがあったんですが、DEEP45と同じくフラワーシリーズへ統合されたかたちになり、現在は入手しにくく…
なので入手しやすさではほとんどCAFEC唯一の扇形型ドリッパーとなっています。
ペーパーは扇形型のものが必要ですが他メーカー(カリタやハリオなど)のものでも互換性はあるので、使用することができます。
上下で異なる2種類のリブをもち、上部はシリーズ共通のフラワーリブ、下部は抽出穴へと促す特殊リブ。

上3つのような円錐型と異なり、底に一度お湯が溜まることで抽出の”ブレ”が軽減され、仕上がりに安定感が出るのが特徴です。
元々のフラワーのイメージとは真逆のような感じですが、スピード感は継承されており、意外と速め。

味わいは円錐型とはまた違ったいい意味でボケるというか、まとまり感のある味わいで、これはこれで好きな人は多いと思う。
個人的には、中深煎りや深煎りなんかはフラワーよりこちらで淹れる方が好きです。
これからコーヒーを始める初心者の方や、毎日の味わいに安定感を求める方はオーバルがおすすめ。
自由度の高さは魅力的ですが、最初で「なんか美味しくない…」と躓いてやめてしまうのはとてももったいない気がする。
それなら、難易度を下げてスタートする方が絶対いい!
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