コーヒースケールの解説は以前にも一度したことがありますが、今回改めて解説をしたいと思います。
というのも、これまでコーヒースケールの主な目的は味のブレの軽減にあると考えていました。
美味しいときもあれば濃かったり薄かったり渋かったり...というような味のブレをなくし、毎回美味しいコーヒーを淹れられるようにするためのものだと。
ですが、様々な機能をもったスケールの登場で最近少し考え方が変わり、味のブレの軽減に加えてオリジナルレシピを生み出したり、誰かの抽出を再現したりといったことにも有用だなと感じるようになりました。
ということで、今回改めて現在のコーヒースケールについて、機能や選び方、おすすめのスケールも一緒に紹介したいと思います。
選び方のポイント

スケールを選ぶときの主なポイントは次の5つ。
- 重さと時間の同時計測
- 計量精度
- 付加機能
- 耐久性
- 価格
そのほかは気に入ったデザインだったり、メーカーだったり、好みのものでOKです。
「重さ」と「時間」を同時にはかれるか?
そもそもコーヒースケールとキッチンスケールの違いは?
という疑問をお持ちの方も多いと思います。

コーヒースケールがキッチンスケールと大きく違う点は、重さと時間を同時に計測できること。
画面左側で時間、右側で重さが表示されます。

重さの他になぜ時間も必要なのか?というと、抽出にかける時間で味わいが変化するから。
具体的には短いと薄味や酸味が強い傾向、長いと苦味や雑味が強くなる傾向があり、抽出時間に気を配るのも味を整えるポイントです。
計量精度は0.1g
スケールの計量精度は0.1g単位でしっかり量れるものがおすすめ。
これは豆の重さを量るときに特に大事になってくる要素。

もし1g単位でしか量れないスケールだと、例えば10gの豆を量る場合に10.0gも10.9gも同じ10gとして表示されることになります。
約1gの差があるにもかかわらずです。
この1gが結構バカにできず、飲んだときに「なんかいつもより薄いな...濃いな...」とわかるレベル。

またよく疑問に思われるのが、200gや500gまでを0.1g、それ以上は1g単位というようなスケールの場合。
結論を言うとこういったスケールでも問題ありません。
ほとんどのスケールがこのような仕様になっていると思われますが、先程の1gの味の差は数g~数十gの豆の計量には影響しますが数百ml注ぐお湯の計量にはそこまで影響しません。
かなり余裕を持たせてたとしても100g以下までを0.1g単位で量れれば、それ以上は0.5gや1g単位でも問題ないかと思います。
付加機能の有無
最初にいっておくと、コーヒースケールで大事なのはあくまで重さと時間の計測で、その他の機能はあると便利ですが必須ではありません。
特に初心者の方は多機能すぎると逆に扱いにくくなることもあるので、シンプルなスケールの方がおすすめだったりします。
なので、あらゆる機能が揃っているものよりも自分のほしい機能のついているスケールを選ぶのがポイント。
コーヒースケールの付加機能には、重さが加わると自動でタイマーがスタート/ストップする自動計測機能、
注いでるお湯のスピードがわかる流速計測機能、抽出比率などを設定できるレシオ機能などがあります。
自動計測機能は重さが加わると自動でタイマーがスタートしたり、カップやドリッパーを持ち上げると自動でストップしてくれる機能。
タイマー操作をしなくて済むので手元に集中でき、ドリップの安定に役立ちます。
初心者~上級者まで万人におすすめな機能です。

流速計測機能は自分の注いでいるお湯の量を数値化してくる機能で、この値を揃えると一定の湯量を注げているという目安になります。
変化をつけたい場合も1湯目を3、2湯目を6、3湯目を9のように毎回決めておけば、分割して注いでも味が安定しやすくなります。
最終的な抽出時間のコントロールやレシピの再現にも一役買ってくれます。
どちらかというと中級者以上向けの機能ですが、ドリップの練習にも応用できるため初心者の方もおすすめです。

レシオ機能は豆とお湯の比率を◯:◯として注ぐ湯量や湯数などの目安となる機能で一部のスケールに搭載されています。
レシピ開発やレシピ再現に有効ですが、ハッキリ言って上級者向け。
初心者の方はわけが分からないと思うので興味がなければスルーして大丈夫ですが、興味がある方は検討してみてもいいかもしれません。
耐久性
スケールの故障で多いのがコーヒーやお湯をこぼしてしまうこと。
スケール本体の形状には大きく2つのタイプがあり、計量部分と操作部分が一体となった一体型と、別々になった分離型。

もしスケールにコーヒーをこぼしてしまった場合、
表面に隙間のない一体型に比べて分離型は計量皿と操作盤の間に液体が侵入する可能性があります。

また、スケールとミルやカップなどの硬い物同士が何度もぶつかっても故障の原因となるため、シリコンカバーが付属するモデルもおすすめです。
価格
基本的にコーヒースケールの価格は色々な機能が付いたり耐久性や反応が上がるほど高くなっていきます。
なので、無駄に高いものを買って機能を余らせるよりも、欲しい機能や使い勝手など自分の求める用途に応じたものをチョイスするのがおすすめです。
1,000~3,000円くらいの低価格帯のものは重さと時間のみのものがほとんど。
「安いのはよくないんじゃないの?」と思うかもですが、これまで色々使ったところ使い物にならないなんてことは全然無く意外と普通に使えちゃいます。
あまりに安すぎるものは別として2~3,000円くらいのものであれば、スケールにあまりお金をかけたくない方やシンプルなスケールがほしい方にとってはコスパの良い選択肢。
5,000~6,000円くらいで自動計測などの付加機能のあるモデルが増えてくる印象。
使ってみたい機能がある方はこの価格帯で検討してみてもいいかもしれません。
ハイエンドと言われるような10,000円以上のものとなると、様々な機能に加えて耐久性や反応の精度や速度が高く、長く使っていこうと考えてるならこの価格帯もおすすめです。
おすすめスケール
最後におすすめのスケールをいくつかご紹介。
ハリオ コーヒースケール ポラリス
数多くのコーヒー器具を生み出してきたハリオの多機能スケール。
こだわりの1杯を淹れたい方におすすめな最新モデルです。
クラシックモードとポラリスモードの2種類のモードがあり、クラシックモードでは重さと時間のみを計測するモードで旧機種のようなシンプルな使い方ができる。
ポラリスモードでは、自分で抽出比率を設定することで注ぐべきお湯の総量をスケールが算出してくれます。
また、算出した値を100%として現在の湯量も%表示してくれるため、抽出量が変化しても注湯タイミングを簡単に揃えられるのが特徴。
とにかく味の再現性が高く、誰かのレシピを再現したり、自分のオリジナルレシピを作るときに大いに役立ちます。
クラシックモードとの使い分けができるので初心者~上級者まで幅広くおすすめできるスケールです。
ハリオ V60ドリップスケール
昔からコーヒースケールといえばこれ!というくらいおなじみの定番スケール。
先程のポラリスの旧モデルで、機能は重さと時間の計測のみ。
機能はシンプルでもコーヒー器具メーカーのスケールだけあって信頼性は高い。
ボタン類も電源とTARE&タイマーの2つのみで、初心者の方も扱いやすいと思います。
旧式のため反応速度はやや遅く画面が暗めなどのデメリットもありますが、ポラリスよりも低価格で操作が簡単というメリットがあります。
ポラリスのような最新機能はいらない方はこちらがおすすめ。
アトラス コーヒースケール
付加機能などは一切なく重さと時間の計測のみですが、逆にいうと重さと時間だけ量れればいいという方にはとてもコスパの良いスケールです。
耐久性にやや不安がありますが、家庭で普通に使う分にはそこまで問題はないかと思います。
表示も大きく操作の癖もないので、低価格かつシンプルスケールを探してる方におすすめなスケール。
Diyife コーヒースケール
こちらも低価格帯のスケール。
Amazonだと大体2~3,000円くらいで手に入ります。
最大の特徴はこの価格ながら自動計測機能が付いていること。
他の自動計測ありのモデルは5,000円以上するものがほとんどのため、この価格は破格。
ただ、気になる点がいくつかあって扱いやすいかどうかは人によって分かれそう。
こちらで詳しくはこちらでレビューしています。
自動計測の有無はモード切替で選択できるので不要なら使わないことも可能。
低価格かつ自動計測機能を試してみたい方におすすめ。
タイムモア Black Mirror Basic 2.0
タイムモアはスケールやコーヒーミルといった器具に定評があり、Black Mirror Basic 2.0は以前紹介したBlack Mirror Basic +のアップグレードモデルにあたります。
カラーはブラックとホワイトの2色。
Black Mirror Basic +にあった機能はそのまま継承されており、主な変更点は流速計測機能と電源ポートカバーの追加。
流速計測機能は、注がれる湯量を数値化することで一定の湯量をキープしたり、”前半ゆっくり後半素早く”のような変化をつけるときにも目安になる便利機能。
最終的な抽出時間のコントロールにも一役買ってくれます。
精度、耐久性、機能性はハイレベルですが、値上がりしたことでコスパ面は微妙。
中~上級者向けのスケールです。
タイムモア Black Mirror Basic PRO
Black PROはタイムモアのBlack Mirrorシリーズのプロモデル。
サイズや機能面はBasic2.0と同じですが、タッチ操作や計量時の反応速度が上がっておりBasic+やBasic2.0よりも素早く値を返してくれるようになりました。
その他だと防水防汚カバーが操作位置以外を覆うものへ変更され、コーヒーや熱湯への耐久性もアップ。
よりストレス無く扱えるのが特徴となっています。
タイムモア Black Mirror mini
こちらはBlack Mirrorシリーズの小型モデル。
Black Mirror Basic2.0よりも一回りほど小さくなり厚みもかなり薄くなりました。
重量にいたってはなんと半分近くまで軽量化。
旅行などの持ち運びに大変便利になりました。
また、自動計測、流速計測の他にエスプレッソモードが搭載。
通常の自動計測に少し似ていて重さが加わると自動でタイマーがスタートし、通常のモードではドリッパーを持ち上げなければストップしなかったところが抽出が終わると同時にストップしてくれるモード。
旅行にも持っていきたい方、エスプレッソを淹れる方におすすめのスケールです。
コメント