お店でコーヒーを頼んだり、コーヒー豆を選んだりする場面で、”どんな味がいいか?”で迷ったとき。
最も失敗しないのが、焙煎度を基準にすること。
コーヒーの味わいは、豆の生産地や製法、品種など、様々な要素が関わってくるけど、おそらく一番決め手になるのが『焙煎度』。
同じ豆でも、大きく味の傾向が変わってきます。
コーヒーにおける焙煎度
焙煎度はコーヒー豆に火を入れる”焙煎”という工程の中で決められます。
焙煎には、その豆が持っている個性を引き出す他、コーヒー豆の味付け的な側面もあり、
火を入れるほど、酸味中心の味から苦味中心の味にシフトしていきます。
”どこまで火を入れるか”で「浅煎り」「中煎り」「深煎り」と呼び方も変わり、これが焙煎度になります。
なので、焙煎度の違いは、そのまま味の違いに。
浅煎りほど酸味が強く、深煎りほど苦味が強い味になります。
【コーヒーの焙煎度】
- 焙煎度は大きく、「浅煎り」「中煎り」「深煎り」の3つ
- 浅煎りは酸味が強く、深煎りは苦味が強い
焙煎度の種類
焙煎度は浅煎りや深煎りという呼び方の他、ライトやシナモンといった呼び方もあり、こちらは8段階に細かく分けられています。
どちらの場合も明確な基準はなく、お店によって微妙に異なっているので、あくまでも「目安」という感じになります。
浅煎り
浅煎りは、豆に軽く火が通っているような状態。
酸味が中心の味で、その豆の個性を強く感じられるのが特徴。
果実のような華やかさ、フルーティーさが楽しめます。
ライトロースト
![degree-roasting_2](https://shinocoffee.com/wp-content/uploads/2022/02/degree-roasting_2.jpg)
1番浅い焙煎度。
コーヒーらしさはほとんどなく、色は黄色がかった茶色。
火入れが最低限の状態で、まだ青臭さが残っていることが多く、飲用にはあまり用いられません。
シナモンロースト
![degree-roasting_3](https://shinocoffee.com/wp-content/uploads/2022/02/degree-roasting_3.jpg)
2番目に浅い焙煎度。
ライトよりも少し茶色みがかった見た目。
こちらもまだ渋みが強く、あまり好んで飲まれません。
ミディアムロースト
![degree-roasting_4](https://shinocoffee.com/wp-content/uploads/2022/02/degree-roasting_4.jpg)
3番目に浅い焙煎度。
シナモンがさらに茶色くなり、ようやくコーヒーらしい風味が出てきます。
渋みが和らぎ、浅煎りに適した豆だとこの辺から飲用として使われます。
個性的な酸味や香りがあり、浅煎り好きのファンも多い。
中煎り
豆にしっかり火が入って、苦味が出てきた状態。
味のバランスが取れていて、飲みやすいのが特徴。
どなたでも飲みやすく、万人向けの味付け。
ハイロースト
![degree-roasting_5](https://shinocoffee.com/wp-content/uploads/2022/02/degree-roasting_5.jpg)
中煎りの中では、少し浅めの焙煎度。
苦味よりも酸味のほうがまだ強く、爽やかな印象。
色は明るい茶色、心地よい酸味と豆の個性を感じられます。
シティロースト
![degree-roasting_6](https://shinocoffee.com/wp-content/uploads/2022/02/degree-roasting_6.jpg)
酸味と苦味がちょうど半々くらいの焙煎度。
それゆえ味のバランスがよく、飲みやすいのが特徴。
「迷ったらシティロースト」というくらい、どの豆でも美味しくいただくことができます。
酸味が苦手な方は、ここから上の焙煎度がおすすめです。
フルシティロースト
![degree-roasting_7](https://shinocoffee.com/wp-content/uploads/2022/02/degree-roasting_7.jpg)
シティよりも少し深めの焙煎度。
”半々くらい”から少し苦味が前に出てきた状態。
シティと並んで人気の焙煎度で、コクがプラスされたような感じ。
深煎り
かなり深くまで火が入り、苦味が中心の状態。
酸味はほとんどが失われ、代わりにスモーキーさやコクが出てきます。
フレンチロースト
![degree-roasting_8](https://shinocoffee.com/wp-content/uploads/2022/02/degree-roasting_8.jpg)
最後から2番めの焙煎度。
表面から油が染み出てきます。
この油がまろやかさになり、余韻のある苦味が楽しめます。
イタリアンロースト
![degree-roasting_10](https://shinocoffee.com/wp-content/uploads/2022/02/degree-roasting_10.jpg)
最も深い焙煎度。
深煎りの最終段階、これより煎ると炭になります。
強い苦味だけが残り、それ以外はほとんど感じられない状態。
エスプレッソやアイスコーヒーに使われたりします。
カフェインと焙煎度
![degree-roasting_9](https://shinocoffee.com/wp-content/uploads/2022/02/degree-roasting_9.jpg)
「焙煎度の違いでカフェインの量は変わるのか?」というと、1粒あたりのカフェイン量はほとんど変わりません。
でも、”コーヒー1杯のカフェイン”となると、少し違ってきます。
コーヒー豆は、火を入れるほどに水分が抜けて軽くなります。
そのため、浅煎りと深煎りの豆を比べると、1粒あたりの重さは、深煎りの方が軽くなります。
コーヒー1杯に使う豆をスプーンで量った場合、”かさ”で量ることになるので、カフェイン量は変わらない。
これをスケールを使って量った場合、”重さ”で量ることになるので、深煎りの方が必要な粒数が増え、カフェインの総量も若干増えることがあります。
焙煎度のまとめ
コーヒーの味わいは、焙煎度でおおよそが決まります。
焙煎度が浅いほど、
- 酸味が強い
- 苦味が少ない
- 個性が強い
- 華やかさ、爽やかな味わい
焙煎度が深いほど、
- 苦味が強い
- 酸味が少ない
- 個性が弱い
- スモーキー、コクのある味わい
という感じに。
なので、「酸味が好きな方は浅煎り」「苦味が好きな方は深煎り」「半々くらいが好きな方は中煎り」というように選んでみるのがいいと思います。
「どんな味が好きかわからない」という場合は、中煎り(シティ、フルシティ)くらいを試してみるのがおすすめ。
いい意味で尖ったものがなく飲みやすいので、どの豆でも美味しくいただけます。
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