焙煎において最も重要な工程の一つが1ハゼです。
それまでどうゆう工程を辿ってきたかによって、「良い1ハゼ」「悪い1ハゼ」になり、正しく出来ているかの判断基準になります。
となっています。
それぞれ詳しく解説していくので、よければ見ていってください。
1ハゼとは?
焙煎時に生豆をある一定まで熱を加えていくと、「パチパチ」とポップコーンが弾けた様な音が鳴ります。
これが1ハゼです。
これを適切に起こしてやることが、焙煎を成功させるポイントになります。
なぜ起こるのか?
生豆を加熱していくと、最初は硬かった豆が次第に軟化してゴム状になっていきます。
同時に、豆内部の水蒸気やガスが小さな隙間から放出され、豆が縮んでいきます。
そこからさらに過熱していくと、軟化していた豆が再び硬化します。
すると、それまで逃がしていたガスが放出出来なくなり、豆も膨らんでいきます。
そうして内部の圧力が上がっていき、細胞壁を突き破った時に1ハゼが起こります。
ここまでの過程で適切に熱を加えていくことで「美味しいコーヒー」の基礎が出来ます。
また、1ハゼ時はダンパー(鍋の蓋)を解放してやることで鍋内の圧力が解放され、1ハゼが促進されます。
焙煎に置いての1ハゼの役割
1ハゼは、焙煎時に基礎の部分がキチンと出来ているかの判断になります。
詳しいやり方はこちらで解説しています。
基礎1水抜き
生豆に火を入れていくと、段々と豆の水分が蒸発していきます。
豆によって水分保有率に差があるので、1ハゼは1分~1分半くらい時間ををかけて、流れるようにして起きるのが良いとされています。
そうして、1ハゼ終了後に大きさ、硬さ、水分保有率の違う豆が同じ状態になってることが望ましいです。
1ハゼまでが早すぎると
勢いよく「ポンッ」「ポンッ」と鳴って1ハゼが起こります。
一見しっかり爆ぜてて良さそうですが、これは豆内にまだ大量の水分が残っているため一気に水蒸気が放出されて大きな音が鳴ります。
この状態だと、豆の芯まで火が通っておらず生焼けの状態になり、えぐみや渋みが残る原因になります。
1ハゼまでが遅すぎると
ハゼに必要な水分が失われているため、ハゼは鳴りません。
火力が弱いのが原因になる事が多く、ゆっくり火を入れるので芯まで火が通りえぐみ、渋みは無いのですが、後述するメイラード反応が適切に行われていないことになります。
基礎2メイラード反応
1ハゼまでにコーヒーの旨味、コク、香りに深くかかわる「メイラード反応」がうまく行われていることが重要になってきます。
水分が多い豆も少ない豆も一定の時間が必要と言われており、時間をかけ過ぎると香り抜けたコーヒーになりますが、個人的には、短時間で焙煎した場合も中心まで火が通って無いので、「中心のメイラード反応が十分に出来ていないのでは?」と考えています。
良い1ハゼと悪い1ハゼ
良い1ハゼ
- あまり間隔を空けず、パチパチと流れるように起こる
- 鍋焙煎の場合は、10分~11分で1ハゼに到達するのが良い
- 色はこげ茶色ぐらい
豆の芯まで火が通っているのでえぐみや渋みは無く、その後浅煎りでも深煎りでも美味しいコーヒーに仕上がります。
悪い1ハゼ
短時間で達した場合
まだ水分が大量に残っているため、
- 勢いよくポンッポンッと鳴る
- えぐみや渋みが残る
中心のメイラード反応が十分ではないので
- 香りの弱いコーヒーになる
- 表面のみが黒っぽくなる
時間をかけ過ぎた場合
ハゼに必要な水分が失われているため、
- 1ハゼが鳴らない
- 焙煎の目安がわからない
メイラード反応に時間をかけ過ぎているので、
- 香りの弱いコーヒーになる
- 特徴の弱いコーヒーになる
結果として、早すぎず遅すぎない時間で1ハゼに持っていくことで、豆全体を均等な状態にするのが良いのではと思います。
よければ参考にしてみてください。
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