鍋焙煎で『香り』を強くしたいとき、「焙煎時間を短くするといい」というのはよく聞く話。
でも、それだと「水抜き」の問題がでてくる。
水抜きが不十分だと、「渋み」や「エグミ」といった生焼けっぽい感じが残る。
この問題をクリアするために、
『水抜きが完了した7分ぐらいを目安に火力を一気に上げ、1ハゼまでもっていく』
というのを試してみようと思う。
- 200℃まで予熱し豆を投入
- 水抜きをする(予備焙煎)
- 1ハゼまで火力は一定に、じっくり火を入れる
- 目標の焙煎度まで火を入れる(本焙煎)
- 煎り上げ
⇩
- 200℃まで予熱し豆を投入
- 水抜きをする(予備焙煎)
- 水抜き完了後に火力を上げ、短時間で1ハゼを発生させる
- 目標の焙煎度まで火を入れる(本焙煎)
- 煎り上げ
200℃まで予熱し豆を投入、7分前後で水抜きを完了させる。
ここまではいつもと一緒。
今回はここで、ゴトクにかかるくらいまで火力を上げ、一気に1ハゼまでもっていく。
豆が色づいていくときに発生する「メイラード反応」は、一定の時間をかける必要があるともいわれているけど、モノは試し。
一度実践してみることにしました。
【鍋焙煎の基本のやり方】はこちらで詳しく解説しています。
【検証】実践
- 使用する豆:タンザニアAA
- 生豆量:120g
- 焙煎度:フルシティ
予熱
火力は、ゴトクの半分くらい。
放射温度計で鍋底が200℃になったら生豆を投入。
予備焙煎
【3分経過】
豆の温度は160℃。
蓋に水滴がついて、豆色は徐々に白っぽく。
【4分経過】
豆の温度は176℃。
豆が黄色く変化し、メイラード反応が発生。
【7分経過】
豆の温度は185℃。
(見づらくてすみません)
豆が茶色くなり、予備焙煎完了の目安である185℃になったので、ここから火力を上げていく。
本焙煎
ここで火力をゴトクにかかるくらいまで上げる。
【8分12秒】
豆の温度は210℃ 1ハゼが発生
音は「ポンッ、ポンッ」といつもより大きめ。
火力は一旦下げ、蓋の開閉を開始。
ハゼ音は1分くらいで落ち着いた。
火力をゴトクの半分ちょい下くらいまで上げ、再び鍋を振っていく。
【11分02秒】
豆の温度は233℃ 2ハゼ発生
普段より少し早めの発生。(1ハゼ手前の火力上げの影響か?)
ここで消化。
煎り込み
消化した状態で鍋を振っていく。
普段は、2ハゼ発生から30秒で煎り上げているので、今回も同じく。
冷却
【11分30秒】 煎り上げ
ザルに出してうちわで冷却。
見た目は目立った煎りムラはなく、いい感じ。
試飲
早速、淹れて飲んでみた。
まず感じたのは、渋み。
水抜きが不完全なときの味がした。
タンザニアの「キレのある苦味」はなく、舌に残る「生焼けっぽい渋み」のほうが強い。
肝心の香りも強くなるかと思いきや、むしろ普段より弱くあまり感じない。
うーん、失敗のよう。
【結論】感想
- ハゼ音は大きく勢いもあり、水抜きが不十分なときの音だった。
- 生焼けっぽい渋みが強くあまり美味しくない
- 香りもパッとせず、普段より弱い。
- 2ハゼの発生が普段より大幅に早まった。(4分以上)
1ハゼ手前で火力上げしたことで、
「予備焙煎が終了した時点」での水抜きは適正量でも、そこから1ハゼまでの水抜きが足りてなかったんじゃないかと思う。
1ハゼが発生するときにまだ水分が余っていたので、ハゼ音も大きく、結果渋みが残ったんだと思う。
通常のやり方のほうが、「味」「香り」ともによくでていた。
火力をメイラード反応を加速させたほうが香りが強くなりそうでも、やはり一定の時間をかける必要があるということがわかった。
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