フラワーシリーズの完結作として昨年末に発売、話題となったCAFECのオーバル。
- フラワーリブ×扇形型
- サイズで穴数が変化
といった斬新な仕様が特徴的なドリッパーです。
でも、どこかで聞いたことがあるような…
そうだ!スリーフォーだ!
CAFECにはオーバル発売より前、スリーフォーという扇形型のドリッパーが存在していました。
以前購入してみたところ、淹れやすさや味わいが意外に良くておすすめのドリッパーの一つなんですが、現在では入手が難しく、なんだかもったいない。
しかし扇形型、サイズで穴数が変化、深層濾過層による抽出など、オーバルとの共通要素は多く、スリーフォーの後継機なのであれば、その点が解消できるかもしれない。
ということで、
オーバルはスリーフォーの後継機なのか、はたまた全く異なるドリッパーなのか、
比較して確かめてみたいと思います。
変更、継承したところ
まずドリッパーの形。
扇形(台形)型ですが、深層濾過層による抽出という点にこだわっており、ドリッパー角度はどちらも扇形型としては鋭め。
円錐型ドリッパーのような深いコーヒー粉槽が形成できます。
ただ、オーバルの方がやや高さがあり、ドリッパーの容量自体も増えている。

上から見ると、スリーフォーは楕円形、オーバルもいちおうは楕円形ではあるけど、よく見ないとわからないくらいほぼほぼ円形に近い。

そして、最も異なるのが抽出を促すリブ。
スリーフォーはシンプルな線状リブなのに対し、オーバルはフラワードリッパーにもあるフラワーリブで、全く異なる。
底リブもオーバルの方がやや複雑な構造をしています。

抽出穴の仕様はスリーフォーから継承されており、
- 101(1~2杯用)は1つ
- 102(3~5杯用)は2つ
と、サイズに応じて穴数が変化。
ただし、穴の大きさはスリーフォーの方がやや大きめ。
裏返してみると、底の形状も若干異なる。

味に違いはあるか?
淹れ比べてみると、スリーフォーはドリッパーとペーパーが張り付き気味なのに対し、オーバルはリブの溝とペーパーの間にしっかりめの空気層ができる。


そのためスピード感はオーバルの方が速く、非常にスムーズ。
ただ、1杯分には少し速すぎるかなというのが私の印象。
どちらも「1~2杯用」なんですが、
ドリッパー高もあってか、1杯分ならスリーフォーの方がちょうどいいスピード感に思う。
逆に1.5~2杯分ならオーバルの方が淹れやすく、スリーフォーだとやや容量不足に感じる場面は多い。
味わいはどちらもクリアかつまろやかなで飲みやすい味わいだが、オーバルの方がクリアさと酸味が際立っているような気がする。
口当たりがシャープで後味の切れもオーバルの方がすっきりしている感じ。
スリーフォーはどちらかというとコクがあって丸く柔らかい口当たり。
良かったところ、残念なところ
オーバルはスリーフォーの深層濾過槽を使って抽出するという点や抽出穴の仕様などは継承し、そこまで違いはなさそうに見えましたが、使用感や味わいは結構違っている感じです。
特に抽出のスピード感はかなり上がっている。
味わいもクリアさが増し、”フラワードリッパーの味”に近づいたようなイメージ。
どんな人や用途におすすめか、考えてみたんですが立ち位置がやや難しい印象。
全体的にフラワードリッパーに近づいたことで円錐と扇形のハイブリッド的な位置づけとなり、円錐と扇形のいいとこ取りともいえますが、
円錐には円錐の良さ、扇形には扇形の良さがあるようにも思う。
円錐の味が好きなら円錐を使えばいいし、扇形の味が好きなら扇形を使えば良い。
なのでその中間。
- フラワーの味(円錐の味)が好きだけどちょっと扱いが難しい
- もう少し味や淹れ方に安定感を持たせたい
という方に合ってるんじゃないかなと感じました。
(ただ、フラワーにはペーパーの選択肢がある)
せめて、サイズ感がそのままだったら…
もしくは、扇形の味が好きだけどもう少し酸味やシャープさがほしいという方にもいいのかもしれません。
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