手挽きミル選びの際、必ずといっていいほど選択肢にあがってくるTIMEMORE(タイムモア)。
切れ味が良く均一性も高いステンレス刃が全機種に搭載され、ラインナップも非常に豊富。
価格的にも、高コスパなものが多い印象です。
ただ、選択肢の幅が広い反面、種類が多すぎてどれを選べばいいかわからないというのが難点としてあります。
そこで、今回はタイムモアの手挽きミルについて、それぞれのモデルの特徴や違いをザッと紹介したいと思います。
※タイムモアのミルは時期によって「多少のカラー誤差」や「内部構造のマイナーチェンジ」がある可能性があります。
モデルごとの特徴
C2
C2はタイムモアのミルの中ではエントリーモデル。
Standard Burrs刃というステンレス製の刃が搭載され、サクサク豆を挽くことができます。
特に、セラミック刃ミルからの買い替えであれば、かなりの違いを体感できると思う。
デザインはシンプルにまとまっており、部屋に置いていても違和感がありません。
挽目は約36段階。
主にドリップ用として使う粗挽き~細挽きまで対応しています。
C3が登場するまでは”コスパ最強”といわれていましたが、性能の向上したC3の方がコスパ的にもやや優秀。
しかし、タイムモアのラインナップの中で価格は最安であり、今でもコスパは高い。
後述シリーズのような特徴に特にこだわりがない方であれば、必要十分な性能を誇ります。
C3
C3はC2の後継機モデル。
調整方法や容量など共通部分が多いですが、各所がアップグレードされています。
一番の進化ポイントは、やっぱりミル刃。
他のモデルにも多く採用されているS2C660という刃が搭載されており、C2よりも微粉をさらに抑制、挽目のクオリティや使い心地も向上しています。
また、粉受けのネジ巻数が簡略化され、瞬時に開閉できるようになりました。
個人的にはこの変更でかなり使いやすくなった印象です。
X
Xシリーズはタイムモアのフラッグシップモデル。
C3の後継機的な位置づけのようですが、デザイン、性能の両面が大幅に変更されています。
X、XBlack、Xliteなどのラインナップがあり、XliteはXの軽量版、XBlackはサブダイヤルが搭載されたモデル。
下の写真はXliteの刃。
本体の大型化に伴って刃もサイズアップしており、C3よりもさらに微粉が少なく、均一性も向上。
また、X-liteのハンドルは人間工学に基づいて設計されており、X-Blackは折畳式で持ち運びにも便利。
SLIM
SLIMシリーズはシンプル&ミニマルモデル。
直径が約45mm(C2、C3は52mm)と細く、軽くて握りやすいのが特徴です。
現在Slim3とSLIMPlusの2種のラインナップがあります。
Slim3は挽目、調整幅、容量などC3との共通要素も多く、軽めのミルが欲しいという方におすすめのモデル。
そして、SLIMPlusの方はE&B刃というドリップにもエスプレッソにも対応している何気にすごい刃が使われています。
NANO
NANOは軽量&コンパクトモデル。
直径は約45mm、重さは400gをきるという軽さを誇ります。
写真はC3PROのものですがハンドルが折り畳み式になったことで非常にコンパクトに収納でき、旅行やアウトドアなど外で使うなら最適モデル。
その分、容量は他モデルより少なく10~15gとなっており、大体1杯強分といったところ。
使用されている刃はC3等と同じS2C660刃。
気軽に持ち歩くことができるため、”出先でちょっとコーヒーを淹れたい”というときに大活躍。
S
Sシリーズは高機能モデル。
現在はS3というモデルのみですが、タイムモアで初めて上部ダイヤルで挽目調整できるが最大の特徴。
また、
- 挽目幅は約90段階
- 容量は約30g
- ハンドルは折り畳み式
と他モデルの要素を結集させたような造りとなっています。
S2C890という新型の刃が搭載されており、従来のS2C660刃よりも一回り大きいことでスピーディなグラインドが可能な他、微粉の軽減や粉の均一さにも磨きがかかっています。
私も欲しいけどなんせ高い… 買うならセール時などが狙い目ですね。
S、PRO、MAXの違い
タイムモアのミルには名前の後ろに「PRO」や「MAX」といった文字が付いているモデルがあります。
これらはカスタムモデルになり、それぞれカスタムされているポイントが異なります。
ただでさえ種類の多いので非常にややこしいですが、うまく選ぶことでより自分に合ったものをチョイスすることができます。
S
SはC2やC3のマイナーチェンジモデルです。
主な変更点は、
- ハンドル蓋の素材
- ミル底面の滑り止め
- 粉受けデザイン
- 内柱3→2
- 内刃とシャフトが一体化
といったところ。
外観面ではハンドル蓋の素材がプラから金属になり、割れなどに対して耐久性がアップ。
チェンジ前の蓋は写真のこの部分が割れやすかった。
内部は内刃とシャフトの一体化によってより強固になり、柱が3本から2本となったことで豆を入れやすく、内部清掃もしやすくなりました。
今から買うなら、C2などはノーマルモデルよりもこちらのモデルがいいかもしれません。
PRO
PROはハンドルが折り畳み式に変更され、「NANOのデザインがいいけど、ちょっと容量が足りない…」という方にピッタリ。
また、ノーマルモデルよりも内柱が細く、メンテナンス性や使い勝手が向上しています。
MAX
MAXは容量アップモデル。
粉受けが大容量のものに変更され、10gほどサイズアップしています。
シンプルですが、結構人気のモデルです。
C2やC3であれば20g→30gとなり、2~3人分の豆を一度に挽くことができます。
個人的には、粉受けはギリギリよりも少し余裕があるくらいの方が杯数の融通も効き、ドリッパーへ移す際もスムーズで使いやすく感じます。
ESP
ESPがエスプレッソ用モデルです。
私はドリップがメインなので持ってませんが、エスプレッソに使うような極細挽きに強くなっています。
選ぶときのポイント
タイムモアに限らず、手挽きミルを選ぶときのポイントはいくつかあって、
- 粒度の均一さ
- 挽目の調整幅、方法
- 浅入り(硬い豆)でも使えるか?
- デザイン
- 価格
という点を私は意識しています。
用途別でいうと、
・価格で選ぶなら最安は「C2」
エントリーモデルですが、コーヒー通のような方でなければ性能的には必要十分に思います。
セラミックミルからの買い替えや、お試しで使ってみたいという方にもおすすめ。
ここを起点に、「この箇所をグレードアップしたい」というところが出てきたら買い替えを検討してみてもいいと思う。
・コスパが良いのは「C3」
C2からミル刃がグレードアップしてる他、粉受けの脱着が楽になり、価格に対して性能や使い勝手が最も優れていると感じます。
(C2は粉受けの噛み合わせが悪い時がたまにある)
ただし、S、PRO、MAXなどを検討中であれば、価格のほとんど変わらない「Xlite」の方がおすすめです。
・機能性重視なら「S3」
外部で挽目変更ができる唯一のモデルがS3。
挽目をワンタッチで調整でき、粉で指を汚すこともありません。
挽目を頻繁に変更する方は絶対おすすめです!
反対に、価格が高いのでそんなに挽目を変えない方にはオーバースペックかも。
・コンパクトモデルが欲しいなら「NANO」「SLIM」
アウトドアなど出先でコーヒーを淹れたい方にはコンパクトモデルの「NANO」や「SLIM」がおすすめです。
ミル自体も軽いので女性でも扱いやすく、デザインや容量でお好みのものをチョイスするのが良いと思います。
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