今回はカリタとCAFECの台形型ドリッパー比較をしてみたいと思います。
台形(扇形)型ドリッパーの中でもよく名前のあがるこちらの2台。
もし台形型ドリッパーを検討中の方であれば、この2台で迷っている方は多いんじゃないかと思います。
カリタのものは、温かみのある陶器製やステンレス、銅のような金属製など幅広い選択肢と喫茶店を思わせるレトロな味わいで、昔からご家庭やお店で広く使われています。
一方、CAFECのオーバルは昨年発売されたばかりの新顔。
トライタンを使用したスマートなデザインに加え、作り出す味わいも昨今のトレンドに沿っている印象です。
違いは果たして。
101とオーバル
最初に少し。
カリタとCAFECの台形型ドリッパーには、どちらも101や102といった表記が使われているんですが、若干意味合いが異なり、
カリタの台形型はドリッパー名+サイズとして。
CAFECの台形型は「オーバル」という名称ですが、サイズに101(1~2杯用)、102(3~5杯用)が使われており、少々ややこしい。
この記事では基本的に101や102はカリタの台形型ドリッパーの名称として用いているのでご承知おきください。
101はカリタ独自の三つ穴構造をしたドリッパーになっていて、底に抽出用の小さい穴が3つ空いているのが特徴。
一度コーヒーは底に溜まり、3つの穴から均等に落ちることで味の安定感が増し、雑味の出る前に美味しさだけをスムーズにドリップできる。

ただ、穴が小さいことで粉の重みで詰まり、3つすべてを満遍なく使える場面が少ない。

一応それを防ぐための突起が穴と穴の間に設けられてはいるが効果はいまいちな感じ。
解決策としては、ドリップ前のリンスがおすすめでそれなりに改善できます。
一方CAFECのオーバルは、1~2杯用が1つ、3~5杯用が2つというふうにサイズに応じて抽出穴の数が変化。
101に比べて穴数は1/3ですがサイズが大きく、目詰まりなどは特に起きません。

その他、CAFECはコーヒーの粉層を深く設ける深層濾過層という点にこだわっており、101よりもドリッパー高が高く、角度も鋭い。

淹れ比べ、味に違いは?
では、実際に淹れ比べてみるとどうか。
抽出スピードはオーバルの方が速く、最初から最後まで非常にスムーズ。
ポイントとして内リブの形が異なっており、
- 101は底に向かって伸びる直線型の線状リブ
- オーバルはドリッパーにくぼみを造る彫込リブ
彫込リブのオーバルの方がドリッパーとペーパーが張り付きにくく、その分スムーズにお湯が落ちていきます。

しかし、スムーズすぎて1杯分のような少量を淹れる場合、速すぎてやや物足りない味になりやすい感じ…
ドリッパー高も高めなので、1.5~2杯分くらいが淹れやすさや味わいのバランスが取れてるように思います。
その点、101は一回り小ぶりなため1杯分でも淹れやすいんですが、こちらは2杯分(400mlくらい)だとちょっとスピード感や容量が不足気味で、その場合ワンサイズ上がおすすめ。
(300mlくらいなら淹れられる)

ということで、同じ1~2杯用でも
- 101は1~1.5杯向け
- オーバルは1.5~2杯向け
という感じに微妙に使い勝手が異なる印象。
肝心の味わいですが、
「101」
- どっしり
- 全体的に重ため
- 苦味が強め
「オーバル」
- クリア
- まろやか
- 酸味が強め
というような傾向の味になりやすいように思います。
101はキリッとした苦味があって、特に後味にかけての苦味が強め。
オーバルよりもコクがあり、どちらかというと重ためのコーヒーになりやすい印象。
”しっかりした味のコーヒー”や”飲みごたえのあるコーヒー”が飲みたい場合におすすめ。
オーバルは101よりも全体的にクリアで、101とは対照的に酸味を強く感じる。
空気を含んでるような軽めな質感で、不思議とまろやかさもあります。
”浅煎りのコーヒー”や”スッキリした味わい”ならこちらがおすすめ。
個人的には、目詰まりしやすい浅煎りの豆はオーバルでサッと落とし、特徴的な酸味やよどみのないクリアな味を楽しみたい。
反対に深煎りの豆なら101でどっしりいきたいが、オーバルを使って飲みやすい軽めな深煎りもいいかもしれない。
コメント