1杯＆2杯で比較｜通常のフラワードリッパーとDEEP27の淹れ比べ

先日購入したDEEP27が、1杯用ドリッパーとしてかなり優秀。

こちら、元々あるフラワードリッパーの1杯専用モデルとなっています。

1~2杯とかではなく”1杯のみ”という見た目も性能もかなり尖ったドリッパーです。

私は通常のフラワードリッパーも所持しているんですが、こちらも最小サイズの表記は「1杯用」。

では、

• 味わいや淹れやすさに違いはあるのか？
• どのくらい違うのか？

両者の比較をしてみたいと思います。

フラワードリッパーの特徴

フラワードリッパーはCAFEC(三洋産業)が出している円錐型ドリッパーです。

内側を彫り込むようにした花びら型リブが最大の特徴的で、

フィルターが自然な形で膨らみ、ネルドリップのようなまろやかさが生まれます。

お湯を注いだ時、ペーパーとの間にしっかりと空洞が生まれるためお湯の抜けが良く、抽出スピードも速め。

DEEP27はこれを鋭角にして、より1杯に特化。

リブの形や取っ手などの共通部分を残しつつ、全体的に引き締まり抽出穴までの距離が伸びた感じです。

1杯分のように粉量が少ない場合でも深いろ過層を形成できます。

抽出穴もほんの少しだけ小さくなっているみたい。

1杯分で比較

1杯分での比較。

• 粉量　10g
• 抽出量　150ml

で淹れ比べてみます。

まずは、通常のフラワードリッパー。

10gのような少量の場合、ドリッパーの底付近しかコーヒー粉が埋まらず、お湯を注ぐのにも距離感があります。

抽出中もほとんど下半分しか使えないのでサッと下に落ちてしまい、中々抽出時間を稼ぐのが難しい。

もう少しゆっくり落ちてほしいなという感じです。

味わいは、スッキリしていてボディが軽め。

苦味よりも酸味を強く感じます。

続いてDEEP27。

同じ粉量でもこちらは6~7分目くらいまでドリッパー内を粉が満たし、注ぐ際にも距離感を感じない。

こちらの方が断然淹れやすいです。

中心付近に注ぐだけでも自然と全体に広がり、お湯のかさは8分目くらいで上下。

ドリッパー内での滞留時間もこちらの方が長く、1湯1湯注ぐ間に余裕があります。

無理なくドリッパー全体を使えてる感じです。

味わいは、先程よりも明らかに濃度感とコクがあります。

酸味よりも苦味がやや勝り、でも重たくならず、コクがあるのに飲みやすい不思議な味わいです。

2杯分で比較

次は2杯分で比較してみます。

• 粉量　20g
• 抽出量　300ml

まずは通常のフラワードリッパー。

今度は粉量がドリッパーの半分以上を締めており、粉の膨らみを加えても8~9分目くらいで上下します。

しっかりとドリッパー内での滞留時間が確保でき、それでいてお湯の抜けも良い。

フラワーリブを満遍なく使えています。

1杯分のときはスッキリ軽い味わいでしたが、打って変わってまろやかになり、酸味に偏っていた味のバランスも酸味：苦味＝1：1くらいに落ち着いています。

これぞフラワー！という感じ。

続いてDEEP27。

コーヒー粉をセットするとドリッパーの8割方まで粉が埋まり、この時点でやや不安。

同じように注ぐとドリッパーのふちギリギリまでお湯が来てしまい、やや控えめにドリップすることにしました。

粉が膨らみ切れていない感じがあり、ちょっと窮屈そうにしています。

味わいは、かなり濃厚。
(私的にはちょっと濃すぎる)

苦味が強く渋みも出てきてしまっており、1杯分のときの方が美味しかったように思う。

1杯分のときのクリアさはなく、苦渋い感じになってしまいました。

淹れ比べ結果

1杯、2杯と淹れてみましたが、

• 1杯分ならDEEP27
• 2杯分なら通常のフラワードリッパー

が美味しい。そして淹れやすいと感じました。

1杯分のような粉が少ない状態では、通常のフラワードリッパーだと抽出に十分な時間をかけるのが難しく、味の深みも出にくい。

その点、DEEP27で淹れるとドリッパー幅が狭く粉層に厚みが出て、全体からムラなく抽出出来ているように思います。

これが、2杯分になると完全に逆転。

通常のフラワードリッパーの方が粉量、膨らみ、お湯の抜けなどが丁度いい状態に落ち着き、ストレスなくガンガン注げます。

結果、フラワードリッパーらしいクリアでまろやかな味わいに仕上がります。

一方DEEP27で2杯分を淹れると、粉が縦方向のみに膨らむため、ドリッパーからあふれそうになりお湯が注ぎきません。

粉自体も膨らみきれていない感じがあり、やはり1杯専用という感じ。

2杯分も淹れれないことはないですが、粉量を減らすなどの工夫が必要かなと思います。