コーヒー専用のやかんであるドリップポットは、最も”淹れやすさ”を左右する重要アイテム。
普通のやかんとの違いは、狙った箇所へ正確にお湯を注げるよう先端が細く加工されている点。
注ぎ方のスタイルは人それぞれなため、「万人に注ぎやすいポット」はなく、自分のスタイルに合っているかで選ぶのが大切に思う。
気になっているポットが、本当に自分に合っているかは、正直実際使ってみるまでわからないけど、「おおよそ、ここをみて選ぶと失敗しないよ」という私なりの選び方を紹介します。
注ぎやすさに関わる要素
まず、選び方のポイントとして、注ぎやすさに関係するものとそうでないものの2つがある。
ポットの形やサイズなどは、注ぎやすさに関係するので自分の淹れ方に合ったものを。
そうでない要素は、好みや環境に合わせて。という風に分けて考えるのがおすすめ。
サイズ(容量)
ドリップポット選びで最も重要に思うのが、サイズ(容量)。
他の要素は慣れである程度カバーできるけど、サイズに関しては後から融通が効かない。
ポイントは、自分が一番メインで淹れる量で考えること。
また、容量の表記は「満水時」や「適正容量」のように、ものによってバラバラなので注意が必要。
淹れる量に対してポットが大きすぎると、無駄に重くお湯も勢いよく出てしまう。
逆に小さすぎると、何度もお湯を注ぎ足さなければならなくなってしまう。
ドリップポットは、お湯が7~8割入っている状態が注ぎやすく、淹れ終わった後に少し余るくらいがちょうどいい。
私のおすすめは、自分の淹れたい量+300mlを基準にすること。
そこから±100mlくらいの範囲で選ぶと、ちょどいいサイズ感に落ち着く。
参考までに私の場合だと、1杯分(150ml)がメインでたまに2杯淹れるので、500ml~600mlくらいが使っていてちょどいいです。
注ぎ口の形
細口タイプ
注ぎ口の根本から先端までが同じ太さのタイプ。
傾け方によるお湯の量がさして変わらないので、細く注ぎ続けるのが得意。
逆に、ドリップに緩急をつけたり、多めの湯量を必要とする場合(浸漬式など)には不向き。
初心者の方や、1杯など少量淹れがメインの方におすすめです。
鶴口タイプ
根本と先端の太さが異なるタイプ。
ポットの傾け方でお湯の量が変わるので、太くも細くも注げるのが特徴。
どんな場面にも対応でき、ドリップに変化をつけたい方や複数杯淹れる方におすすめ。
難点は、細口タイプより扱いが難しいこと。
湯量をコントロールするには、少し慣れが必要。
お湯が太いので、普通のやかんとしても使える。
ポットの形
釣鐘型
底が広めで段々と窄んでいくような、やかんに似た形。
持ち手と注ぎ口が離れているので、遠心力を利用して軽々とドリップできるのが特徴。
しかし、腕の動きをお湯に反映させるのは苦手で、細かな変化をつけるには向かない
細口タイプと相性がよく、一定の湯量を維持するようなスタイルが得意。
縦長型
縦に長い形をした注ぎ口と持ち手が近いタイプ。
細かな変化をつけるのが得意で、お湯をコントロールしやすいのが特徴。
鶴口タイプにするなら、こっちの型がおすすめ。
デメリットは特になく、強いてあげるならサイズが大きいと手が疲れること。
注ぎやすさと関係ない要素
注ぎやすさに関係ない要素は、好みや環境に合わせて選ぶのがおすすめ。
素材
ステンレス
ステンレス製のポットは種類が豊富で、素材として最もスタンダード。
軽くて丈夫なので扱いやすく、サビにも強いのでお手入れも楽。
迷ったらステンレスというくらい、使いやすい素材。
ホーロー
おしゃれで可愛らしい見た目のホーローは、保温性の高さが特徴。
表面がガラス質で覆われているので、熱が逃げにくいようになっている。
また、吸着性が低く、匂いや汚れがつきにくいのもメリットの一つ。
デメリットは、衝撃に弱く割れやすいことと、重いこと。
保温性の高さから、耐熱加工がないと熱くて持てない場合も。
銅
レトロで高級感があり、インテイリアとしてもよく映えるのが銅ポットの魅力。
熱伝導率の高さから、お湯が早く沸くのもワンポイント。
キズや変色は目立ちやすく、お手入れに気を使うのが難点ではあるが、サビには意外と強く耐久性も高い。
経年劣化のアンティーク感が味わえたり、大切に使うことで長年の相棒にもなってくれる。
耐熱加工
意外と見落としがちな、耐熱加工の有無。
よく触れる持ち手や蓋のつまみに施されているかがポイント。
木製だったり蓄熱しないよう薄く加工されていたりと様々。
これがないと、火にかけたり熱湯を入れたりすると熱くて持てない場合も。
特にホーローや銅は、すぐ熱くなるので必須。
対応熱源
自宅の熱源に対応しているかもポイント。
(沸かしたお湯を移し替えて使うのであれば、特に気にしなくていい)
直火かIHのどちらか、もしくは両方対応がほとんどだけど、まれにどちらも非対応というのがあるので注意。
蓋なし小容量モデルに多い印象。
その他だと、電気ポットという選択肢も。
保温機能や温度設定で使いたい湯温にピッタリ合わせられるといった良さがある。
価格はやや高めだけど、とても便利でおすすめ。
おすすめドリップポット
ハリオ V60ドリップケトル・ヴォーノ
お湯を安定して注げる細口タイプのドリップポットで、初心者の方に特におすすめ。
誰でも扱いやすい作りと、汎用性の高さが特徴。
サイズの選択肢があり、一部だがカラーや素材も選べる。
持ち手は凹凸が握りやすく、蓋のつまみと共に別素材で耐熱加工がされている。
熱源は直火、IHの両方に対応。
Love-KANKEI ドリップポット
仕様 | |
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サイズ | 長さ18×直径9×高さ18cm |
重量 | 約406g |
容量 | 満水650ml、適正480ml |
素材 | ステンレス |
熱源 | 直火、IH対応 |
一人用におすすめな、小さめの細口ポット。
容量は650mlと1~2杯にちょうどよく、価格もお手頃。
お湯は細く出すと真下に落ちるが、裏漏れが多少あるので、気になる方はペンチなどで加工すると改善されます。
珈琲考具 ツードリップポット pro
仕様 | |
---|---|
サイズ | 長さ23.5×直径13×高さ11cm |
重量 | 約325g |
容量 | 満水750ml、適正500ml |
素材 | ステンレス |
熱源 | 直火、IH対応 |
「珈琲考具」というブランドのドリップポット。
このポットのすごいところは、極細の注ぎ口。
口の内径は約4.5㎜しかなく、これより細いものは中々ない。
先端が下を向いているのでお湯は真下に落ち、粉の中心を捉えやすい。
点滴抽出やとにかく細く注ぎたいなら、とてもおすすめ。
太いお湯が出せない点と、蓋なしで保温性が低いのが注意点。
カリタ ウェーブポット1L
仕様 | |
---|---|
サイズ | 長さ23.5×直径12.3×高さ17.5cm |
重量 | 約440g |
容量 | 満水1L |
素材 | ステンレス |
熱源 | 直火、IH対応 |
上記の「ツードリップポットPRO」とは対象的に、ある程度の湯量がほしいときにおすすめなポット。
太くも細くも注げる鶴口タイプの注ぎ口で、使いこなせれば自由に湯量をコントロールできる。
表面のウェーブ加工が美しく、持ち手と蓋のウッドがアクセントになっていて、飾っていても画になるデザイン。
サイズが1Lなので、2杯以上淹れるときにはいいが、1杯分にはやや大きめ。
HAGOOGI 湯調ドリップケトル
仕様 | |
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サイズ | 長さ20×直径18×高さ18cm |
重量 | 約570g |
容量 | 満水800ml |
素材 | ステンレス(内側) |
熱源 | 電気(100V 1200W) |
ぽってりとしたデザインが可愛い電気ケトル。
電気ケトルのいいところは、やはりその利便性。
湯温を1℃単位で調整でき、温度計なしでも好きな温度で淹れられ、その温度のまま30分まで保温も可能。
底面は耐熱仕様になっていて、ポットのみを熱いままテーブルに置いても大丈夫。
普通のポットよりやや重めではあるけど、デザイン性、機能性に優れたケトルです。
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