手軽に素早く豆を挽いてくれる電動ミルは、「たくさんコーヒーを飲む」という方に、とてもおすすめな器具。
仕組みが簡単な手動ミルに比べて、多種多様なバリーションがあるのが特徴。
価格も高めなので、選ぶ際は出来れば失敗したくないところ。
そこで、今回は電動ミルの特徴と選び方、私のおすすめミルを紹介したいと思います。
電動ミルの特徴
電動ミルは、内蔵されたモーターが動力となり、豆を挽いてくれる。
スイッチ一つで完結するので、手間や時間がかからず、豆を挽く作業がとても楽なのが特徴。
手が疲れないので、大量の豆を挽くときや、浅煎りなどの硬い豆を挽くときなんかにも向いている。
ただし、手動ミルと比べると、価格あたりの性能は低くなりがちで、同程度の性能を求めると、どうしても価格が上がってしまう。
また、高速で刃が回転するので、熱を持ちやすいというのもある。
- 1日に何杯もコーヒーを飲む
- 数杯分を一気に挽く
- 楽に豆を挽きたい
- 素早く豆を挽きたい
というような方に、電動ミルはとてもおすすめ。
「多少手間でも価格を抑えて良いミルがほしい!」という方は、手動ミルがおすすめ。
選び方のポイント
粉砕方法
電動ミルは手動ミルと違い、粉砕方法が複数存在する。
選ぶときはここが肝になり、均一さ、微粉、熱、価格に大きく影響する。
プロペラ式
プロペラ式は、プロペラのような形の刃が回転することで、豆を細かくする仕組み。
一番のメリットは、価格の安さ。
逆にいうと、それ以外のメリットはほとんどない。
仕組上、挽目の変更がほぼ不可能で、粗くしたり細かくしたりといったことは出来ない。
粒度のバラツキも目立ち、ミルとしての性能はあまり良くない。
「豆を挽ければいい」「とにかく安いミルがほしい」という方は検討の余地あり。
臼式
臼式は外刃の内側で内刃が回転し、豆を砕く仕組み。
臼のような刃がすり潰すようなイメージで、刃と刃の間隔を変えることで挽目の調整が可能。
粗挽き~細挽きまで不得意なく挽けるが、使われる刃によって性能や価格にバラつきがあるのが特徴。
カット式
カット式は凹凸のついた刃の間を、豆が通過するときに細かく砕かれる仕組み。
こちらも刃の間隔を変えることで、挽目を調整できる。
中挽き~細挽きには強いけど、粗挽きになるとややバラつきが目立つ。
臼式と違ってすり潰すわけではないので、微粉や熱は少なめ。
刃の材質
ステンレス刃のものは、切れ味がいいので均一に挽けるが、高速で刃が回転し、熱を持ちやすいのが注意点。
そのため、使用時間が短めになっていたりする。
セラミック刃は切れ味がステンレスに劣るので、手動ミルでは扱いづらいけど、電動の場合は割りと安定。
ただ、臼式だと微粉が出やすい。
一度に挽ける量
電動ミルは一度にたくさんの豆を挽けるのも、メリットの一つ。
家庭などで使う分には、容量が50g~100gあれば、困る場面はないように思う。
少し余裕を持っておくと、より安心。
価格
電動ミルは価格によって、かなり性能にバラつきがある。
10,000円以下は、ほとんどがプロペラ式で性能(均一さ)はあまり期待できない。
少数なら臼式やカット式のモデルもあり、安くてもそこそこのミルがほしい方は狙い目。
10,000円以上になると、挽目調整の出来る臼式やカット式が主流になってくる。
均一さを求めるなら、これ以上の価格帯から選ぶのがおすすめ。
30,000円を超えてくると、均一さにさらに磨きがかかり、熱や微粉の対策されたものになってくる。
家庭用としては、十分なスペックを持った高性能モデル。
静音性
電動ミルは、モーターを動力に刃が回転して豆を砕くので、「モーター音+豆を挽く音」となり、うるさくなりがち。
パワーのあるモーターだと音はうるさいけど、素早く挽けたり硬い豆でも均一に挽ける。
静音性の高いものだと音は静かだけど、挽くスピードがゆっくりだったりする。
一長一短なので、好みに合わせて選ぶのがいいと思う。
メンテナンス
挽くときに残った粉を掃除するときの、メンテナンス性。
「刃」や「粉受け」が取り外しやすいと掃除も楽ちん。
1ヶ月~半年に一度掃除するくらいを目安に考えておくといい。
おすすめ電動ミル
DeLonghi(デロンギ)「コーヒーグラインダー KG79J」
コーヒーグラインダー KG79J | |
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サイズ | 幅13cm×奥行16cm×高26cm |
重量 | 1.5kg |
粉砕方法 | 臼式 |
刃の種類 | セラミック |
挽目調整 | 多段階 |
ホッパー容量 | 120g |
カラー | ブラック |
コーヒーメーカーで有名な、デロンギの電動ミル。
粒度の調整は、FINE(細挽き)~COARSE(粗挽き)まで細かく対応。
上部にストックした豆を、杯数ダイヤルを使い淹れたい杯数を挽いたら、自動で止まる。
自分で挽く量を調整したい方には、使いづらいかもしれない。
挽いたときの静電気で取り出すときに粉が散らばったり、音も少しうるさめ。
Melitta(メリタ)「パーフェクトタッチⅡ」
パーフェクトタッチⅡ | |
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サイズ | 幅11.3cm×奥行15.3cm×高21.9cm |
重量 | 1.1kg |
粉砕方法 | カット式 |
刃の種類 | セラミック |
挽目調整 | 16段階 |
ホッパー容量 | 100g |
カラー | ブラック |
「アロマフィルター」などのメリタ社の電動ミル。
いくつかある中の、価格が安めのモデル。
杯数ダイヤルで挽いた後は自動で止まり、自分で止めたいときは、ダイヤルを0にすると止まる。
挽くときの音が大きく粉受けに粉が張り付きやすいなど、使いづらさはやや目立つ。
ただ、カット式ながら10,000円以下で手に入り、デメリットを許容出来るならコスパは高め。
OXO BREW「タイマー式コーヒーグラインダー」
タイマー式コーヒーグラインダー | |
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サイズ | 幅13.5cm×奥行19.5cm×高33cm |
重量 | 2kg |
粉砕方法 | カット式 |
刃の種類 | ステンレス |
挽目調整 | 43段階 |
ホッパー容量 | 340g |
カラー | ブラック |
43段階もの挽目調整が出来、粗挽き~極細挽きまで対応。
ステンレス刃のカット式なので、均一なグラインドが可能。
金属刃ゆえの”熱が発生しやすい”というデメリットを回避するため、時間調整がついていて、0~30秒の間でゆっくり又は素早く挽けるのが特徴。
Melitta(メリタ)「バリオ-E CG-124」
バリオ-E CG-124 | |
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サイズ | 幅12cm×奥行16cm×高35cm |
重量 | 3.1kg |
粉砕方法 | 臼式 |
刃の種類 | ステンレス |
挽目調整 | 40段階 |
ホッパー容量 | 220g |
カラー | ブラック |
メリタの上位モデルの電動ミル。
使用されている刃は、臼式のステンレス刃。
挽目の信頼性が高いこの方式を、電動ミルで再現してくれる。
一方、刃が非常に熱を持ちやすいので、使用時間が60秒と短め。
サイズがコンパクトで縦長なので、小スペースで済む。
BONMAC(ボンマック) 「コーヒーミル BM-250N」
コーヒーミル BM-250N | |
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サイズ | 幅12cm×奥行20cm×高36cm |
重量 | 3.3kg |
粉砕方法 | カット式 |
刃の種類 | 8段階 |
挽目調整 | セラミック |
ホッパー容量 | 250g |
カラー | ブラック レッド |
ボンマックというメーカーの、据え置き型電動ミル。
挽目調整は正面の大きなダイヤルでおこない、電源スイッチはON-OFFのシンプルなもの。
カリタの「NEXT-G」と形が似ているけど、大きな違いは静電除去装置がない点。
そのため、挽いた粉が飛散する。
そこを許容できるなら価格はNEXT-Gの約1/3と、かなりコスパのいいカット式電動ミル。
Kalita(カリタ)「NEXT-G」
NEXT-G | |
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サイズ | 幅12.3cm×奥行21.5cm×高40.1cm |
重量 | 2.3kg |
粉砕方法 | カット式 |
刃の種類 | セラミック |
挽目調整 | 15段階 |
ホッパー容量 | 60g |
カラー | アーミーグリーン スモーキーブルー |
使い勝手が意識された、家庭用電動ミルの完成形のような器具。
数多くの電動ミルがかかえる”粉の飛散”という問題をほぼ唯一解決してくれ、挽いた粉は飛び散らず、吸い込まれるように粉受けへと落ちていく。
他のミルと比べて、挽くスピードはやや遅めだが、その分音は静かでしっかり均一に挽ける。
価格はやや張るが、予算が許すならぜひ使ってみてほしい万能ミル。
FUJI ROYAL(フジローヤル)「R-220みるっこDX」
R-220みるっこDX | |
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サイズ | 幅13cm×奥行24cm×高36.2cm |
重量 | 4.6kg |
粉砕方法 | カット式 |
刃の種類 | ステンレス |
挽目調整 | 19段階 |
ホッパー容量 | 200g |
カラー | ブラック レッド イエロー |
業務用として使われることの多い、ハイクオリティ電動ミル。
大規格のモーターにより、パワフルなグラインドが可能で、硬い豆だろうが高速で挽ける。
ホッパーサイズも大きく、大量の豆を素早く挽くことにとても優れている。
その分、挽くときの音は大きめ。
刃の切れ味も良く、素早さ、均一さを重視するならとてもおすすめ。
HARIO(ハリオ)「スマートG」
モバイルミルスティック ブラック | |
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サイズ | 幅5.9cm×奥行5.3cm×高33.2cm |
重量 | 0.5kg |
粉砕方法 | 臼式 |
刃の種類 | セラミック |
挽目調整 | 多段階 |
ホッパー容量 | 24g |
カラー | ブラック |
ハリオのハンディタイプの電動ミル。
本体である手動ミルに、「外付けの専用モーター」を取り付けることで電動ミルにもなり、手動電動両方として使うことが出来る。
家庭内はもちろん、ホテルやアウトドアなどでも大いに活躍するミルです。
選び方のまとめ・おすすめな人
【電動ミルの選び方】
- 粉砕方法
- 臼式かカット式がおすすめ
- 刃の材質
- ステンレスは切れ味はいいが、熱を持ちやすい
- セラミックは切れ味そこそこ、価格は安定
- 挽ける量
- 50g~100gくらいあれば十分に思う
- 価格
- 20,000円~40,000円くらいがおすすめ
- 静音性
- メンテナンス
【電動ミルがおすすめな方】
- 1日に何杯もコーヒーを飲む
- 複数杯分を一気に挽く
- 豆を挽くのが面倒
- 時間をかけずに挽きたい
手軽に、素早く、大量に豆を挽けるのが電動ミルのいいところ。
数多く種類があるけど、まずは粉砕方法を基準に選ぶのがおすすめ。
電動ミルは、ここが肝。
そこに加えて、自分の求めるものをピックアップしていくのがいいと思います。
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