「1つ穴の台形型ドリッパー」といえばメリタが有名ですが、三洋産業のスリーフォーというドリッパーも同じような形をしています。
台形1つ穴=超安定型というイメージだったので、「どちらも同じような味になるのかな」と思いきや、全く違うタイプのドリッパーでした。
両者を淹れ比べ・飲み比べてみた感想とそれぞれの特徴を紹介します。
見た目の違い
パッと見は同じ形ですが、細部は結構違いが。
最も大きな違いは、底の抽出穴。
同じ1つ穴でも大きさが全く違う。
アロマフィルターはとても小さいのに対し、スリーフォーは割りと大きめ。
購入するまで気づかなかったんですが、こうして並べてみると一目瞭然で、スリーフォーの方が3倍くらい大きいです。
アロマフィルターの穴は少し上の位置にあり、雑味を多く含む上澄み部分を自動でカットしてくれる仕組みになっています。
小さい穴でゆっくり抽出するからか、アロマフィルターの方が本体に高さがあります。
お湯の抜けに影響するリブは、スリーフォーは穴に向かって一直線。
アロマフィルターは、お湯が滞留するような広がりのあるリブです。
淹れ比べてみる
まずは、スリーフォー。
やはり穴が大きいのでお湯の抜けが良く、結構速く落ちる。
円錐ドリッパーほどじゃないけれど、カリタの3つ穴式よりかは速めです。
抽出時間は2分00秒でした。
続いてアロマフィルター。
こちらは「蒸らし後は、1湯で最後まで注ぐ」という使い方なので、その通りに。
ドリッパー内で湯溜まりが出来、粉とお湯が混ざり合い浸漬式に近い状態に。
抽出は一定の速度を維持して、ゆっくりと。
お湯はすべて落ちきらず、自動でストップ。
抽出時間は2分23秒でした。
味の違いは?
スリーフォーで淹れたものは、濃度感がしっかりしていて、深い味わい。
苦味もしっかり出ています。
アロマフィルターで淹れたものは、スリーフォーに比べてスッキリしています。
軽い質感なので、こっちの方が飲みやすい。
スッキリしているからか、口の中に広がっていくような味わいです。
それぞれの特徴
同じ台形1つ穴でも、スリーフォーとアロマフィルターは全く違ったドリッパーでした。
スリーフォーは、やや大きめな抽出穴と深い濾過層で透過式のような淹れ方・味わいになります。
台形型としては抽出スピードが速めで、再現性を少し削った分、自由度を高めた感じ。
安定感を持ちつつ、ある程度自由に淹れたいという場合に向いている気がします。
アロマフィルターは穴が小さいので湯溜まりが出来、浸漬式に近い淹れ方・味わいになります。
味の調整はほぼ不可能ですが、1湯での簡単な淹れ方で、誰でも再現性の高いコーヒーが淹れられます。
【スリーフォーの特徴】
- 抽出スピードは速め
- 再現性はやや低い
- 安定感を持ちつつ自由に淹れられる
- 難易度はやや高い
【スリーフォーの特徴】
- 抽出スピードは遅い
- 再現性は高い
- 誰でも毎回同じ味が出せる
- スッキリ・飲みやすい
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