今回は深煎り編。
深煎りになると、酸味はほとんど消え、深い苦味やほのかな甘味が感じられます。
「酸味が苦手」「ガツンとした苦味が好き」といった方におすすめの焙煎度。
私は煎りすぎて失敗しないよう、
『2ハゼのピークで消化し、豆の表面に照りが出てきたら煎りあげる』
を目安にしている。
焙煎の進行が早い中でも、落ち着いて豆の状態を確認できる。
今回は鍋焙煎の『深煎りのやり方』と『気をつけるポイント』を解説していきます。
【この記事の内容】
- 深煎りにする時のポイント
- 深煎りのやり方
焙煎度別のポイントはこちら。
深煎りのポイント
2ハゼ以降は慎重に
深煎りの醍醐味は苦味。深く余韻のある苦味が魅力。
だけど、豆の表面が焦げると苦味の質がトゲトゲしいものに変わってしまう。
特に、2ハゼ以降は注意が必要。
【2ハゼとは?】
豆の温度が200℃を少し超えると、ピチピチピチという音が聞こえてきます。
これが2ハゼ発生の合図。
豆から出る煙が一気に増え、火が入って脆くなった豆の隙間から漏れ出ることで発生します。
焙煎は、2ハゼが鳴り出す辺りから急激に進行する。
そのため、「少し目を離して焼きすぎた…」ということもしばしば。
そうならないため、2ハゼが鳴り出したら、
【2ハゼ後の動作】
- 火力を弱火にする。
- 蓋の開閉を行う。
をして、進行を緩やかにする。
煙に注意
これが自宅で深煎りが難しい最大の理由。
2ハゼあたりから、煙の量や濃さが一気に増えてきます。
換気がより一層重要になり、焙煎前の
【換気対策】
- 窓を開ける。
- 換気扇を回す。
といった対策が必要不可欠。
近くに火災報知器がある場合は、万が一鳴ってしまわないよう注意!
煎り上げの目安
煎り上げの目安になる豆の状態は、
【煎り上げの目安】
- 豆の色が黒茶から黒に変化。
- 表面に照りが出てくる。
- ハゼ音が弱くなる。
といった点に注目。
これらは、2ハゼピークを迎えると見られる。
深煎りのやり方
基本のやり方については、こちらで解説。
深煎りは「ピチピチピチ」と2ハゼが連続で鳴り始めたら、火力を弱火に下げる。
(大体ゴトクの2~3分目くらい)
火力を下げるタイミングが早いと、ハゼが思うように鳴らないことがあるので、”連続して”という所がポイント。
その状態で1ハゼと同じように、蓋を開閉させながら鍋を振っていく。
(この辺りで、煙がかなり濃くなってくる)
「ピチピチピチピチ」と、ハゼ音が激しくなってきたら(ピークに達したら)消化。
蓋の開閉で煙を逃しながら、豆の表面に油が浮き出て、照りが出てくるまで、焦がさないよう鍋を振っていく。
煙に注意しつつ、好みの深さをみつける
煎り上がりはこんな感じ。
今回は少しあげるのが早かったみたい。
本当はこれくらいのイメージ。
今回焙煎に使用したのは、〈タンザニア・AAスノートップ・ブルカ・エステート〉
酸味と苦味のバランスが良く、どの焙煎度でも美味しく飲める。
苦味の中に微かに甘みがあり、とても落ち着く味。
これが深煎りの醍醐味。
深煎り焙煎のポイントは、
【深煎りのポイント】
- 2ハゼが連続で鳴り出したら、弱火に下げる。
- 蓋の開閉で煙を逃しながら、煎りを進める。
- 2ハゼピークで消化。
- 焦がさないよう鍋を振り、タイミングを見て煎り上げ。
と、こんな感じ。
煎り進めると煙が濃くなってくるので、あまり深く煎れないというのが自宅焙煎の難しいところ。
換気にはくれぐれも注意してください。
慣れないうちは、消化と同時(2ハゼピーク)辺りから煎り上げてみて、徐々に深くしていき『好みの煎り具合』を探すのがおすすめです。
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