【この記事の内容】
- ドリッパーの役割
- 選ぶ時のポイント
ハンドドリップでは、ペーパーにセットしたコーヒー豆(粉)にお湯をかけて抽出を行う。
その際、ペーパーを支える『何らかの台座』が必要になる。
その台座の役割を果たすのが、コーヒードリッパー。
でも、たかが台座と思うなかれ!
ドリッパーは一つ一つ形や仕組みが違う。
なので、おのずと出来上がったコーヒーの味も変わってくる。
選び方のポイント
ドリッパーの形
ドリッパーには、大きく分けて2つの形がある。
円錐型と台形型。
抽出方法が少し関わってくるんだけど、詳しくはこちらで解説。
ザックリいうと、円錐型は自由度が高く、台形型は味の安定性が高い。
それぞれの特徴を解説すると、
円錐型
円錐型のドリッパーは、上から下にかけて徐々に円が萎んでいくような形をしている。
また、底の抽出穴が大きいのもポイント。
縦に厚くした粉の層にお湯を通過させて、下の大きな穴から抽出する。
お湯を素早く通せば、スッキリ目の軽い味わいになるし、ゆっくり注げばどっしり感も出せる。
味作りの幅が広く自由度が高い反面、慣れないうちは調整が難しく思い通りの味にならないことも多い。
どちらかといえば、中級者以上向けの形。
台形型
台形型のドリッパーは、小さな抽出穴が特徴。
底にお湯が一度溜まってから下に落ちる感じになる。
どんな風にお湯を注いでも、ある程度同じ速度で抽出されるので、毎度の味が安定しやすい。
「味作りをする」というより、「毎回同じ味を出す」という点にフォーカスしているので、初めてでも美味しく淹れられる。
抽出スピードは穴の数で調整されていて、数が多いほど速い。
【形による違い】 | 抽出スピード | 味の変化 | 難易度 |
---|---|---|---|
円錐型 | 速い | 付けやすい | 中~高 |
台形型 | 遅い | 付けにくい | 低 |
内側の溝『リブ』について
ドリッパーの内側には、『リブ』といわれる溝がついている。
リブの長さや深さはドリッパーごとに違い、抽出スピードに影響する。
特に円錐型に重要な要素で、これがないとペーパーがドリッパーにピッタリ張り付いてしまい、抽出スピードがかなり落ちる。
基本的に、リブが長く深いほどスピードが上がり、短く浅いほどゆっくり落ちる。
【ドリッパーのリブ】
- 長いほど、速く落ちる。
- 短いほど、ゆっくり落ちる。
- 深いほど、速く落ちる。
- 浅いほど、ゆっくり落ちる。
ペーパーの有無
ドリッパーにはペーパーを使うタイプと、使わないタイプ(ペーパーレス)がある。
スタンダードなのは、ペーパータイプ。
ペーパーで粉とコーヒーを分離するので、出来上がったコーヒーに粉が混じることはない。
味わいはスッキリめで、飲みやすいのが特徴。
毎回ペーパーが必要にはなるけど、粉の後処理もペーパーごと捨てるだけなので、とてもお手軽。
ペーパーレスタイプは、ドリッパー本体が網目状になっていて、お湯だけ通すような仕組み。
ペーパータイプだとカットしてしまう『コーヒーオイル』がそのまま抽出されるので、まろやかな味わいに!
小さい粉や微粉は通ってしまうので、舌触りはザラッとした感じになる。
選ぶなら、なるべく網目の小さいものがおすすめ。
このタイプのデメリットは、洗う時の大変さ。
粉で網目が詰まったり、ペーパーごとサッと捨てられないので手間に感じることが多い。
ペーパータイプと比べると、経済的なんだけど手軽さの面で圧倒的に不便で、私はあまり使わなくなった。
サイズ選び
コーヒー器具のサイズ選びはとても重要。
1杯なら1杯用、4杯なら4杯用のように、一番メインで淹れる杯数を基準に選ぶのがいい。
例えば、普段1杯しか淹れないのに余裕を持って「2~4杯用」とかにしてしまうと、ドリッパーのサイズに対してコーヒー粉の量が極端に少なくなり、非常に淹れづらい。
もしサイズで迷っているなら、少ない容量の方を選ぶのがおすすめ。
2杯メインで淹れるなら、2~4杯用より1~2杯用という感じ。
1~2杯用のドリッパーに12g(約1杯用)でも、これくらい余裕がある。
異なる杯数を淹れる場合は、1個で済ますより複数個持つほうがいいように思う。
【サイズ選び】
- 自分が一番淹れる容量のサイズを選ぶ。
- 迷ったら、少ない杯数のものがおすすめ。
- 異なる杯数を淹れるなら、複数個持つほうが淹れやすい。
素材選び
陶器
蓄熱性が高いのが特徴で、温めて使うことでコーヒーが冷めにくい。
逆に冷たい状態で使うと、冷めてしまうので注意。
丸みのある可愛らしものから、無骨なデザインまで幅広い。
味わいは、まろやかめになる。
プラスチック
軽くて扱いやすく、使い勝手の良さが魅力。
ある程度雑に扱っても大丈夫な所が、日常使いにいい。
あまりに高温なお湯をかけると、ヒビが入ることがある。
他の比べると見た目が若干チープになるけど、価格も安く入門用を探しているならおすすめの素材。
ガラス
透明感があって、とてもおしゃれ。
熱には強いけど、衝撃に弱く割れやすい。
洗っている時に落としたら最期…取り扱いには注意。
価格は陶器と同じくらいか、少し高め。
ステンレス
軽くて丈夫でサビにくいので、アウトドアなどに最適。
スタリリッシュで洗練された質感。
銅
銅は熱伝導率が高いのが特徴。
光沢が美しく、レトロで品がある。
傷が目立ちやすいので、キレイな状態を保つには手入れが欠かせないというのはあるけど、耐久性があるので経年劣化による変化も楽しめる。
価格は高めだけど、長年に渡って使用できる。
【素材選び】 | 見た目 | 軽さ | 耐久性 | 価格 |
---|---|---|---|---|
陶器 | ★★ | ★ | ★★ | ★★ |
プラスチック | ★ | ★★★ | ★★ | ★★★ |
ガラス | ★★★ | ★★ | ★ | ★★ |
銅 | ★★★ | ★★ | ★★★ | ★ |
ステンレス | ★★ | ★★★ | ★★★ | ★★ |
お気に入りドリッパーで、素敵なコーヒーライフを!
「変化をつけて楽しみたい」「毎回美味しく淹れたい」「おしゃれな器具で気分を上げたい」など、
どんなドリッパーを選ぶかは、自分のドリップスタイルによって様々。
【円錐型の特徴】
- 味作りをしながら楽しめる。
- スピード感のある抽出が出来る。
- 中~上級者向き。
【台形型の特徴】
- 同じ味で安定させやすい。
- ゆったりとした抽出に向いている。
- 初心者でも美味しく淹れられる。
【ドリッパーとリブの関係】
- リブが長い(深い)ほど、速く落ちる。
- リブが短い(浅い)ほど、遅く落ちる。
サイズはメインで淹れる杯数を基準に、素材はお好みで。
お気に入りを見つけて、素敵なコーヒーライフを!
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