自宅で楽しむコーヒーライフ。
そのコーヒー豆、実は自分で焙煎するほうがコスパがよかったりする。
本来は専用の焙煎機が必要なのだけど、片手鍋を使って代用する『片手鍋焙煎』という方法がある。
代用といっても十分美味しく焼くことができ、高価な焙煎機も必要ない。
今回はその『片手鍋焙煎』のやり方を紹介していきます。
【こんな方にオススメ】
- 毎日コーヒーを飲むのでコスパのいい方法が知りたい
- これから焙煎を始めてみたい
- 焙煎豆の保存に気を使いたくない
- いろんな種類のコーヒーを飲んでみたい
片手鍋焙煎に必要なもの
片手鍋
今回の主役である〈片手鍋〉。
100均やホームセンターでも購入可能。
選ぶ際のポイントは、
- ガラス蓋がついてる
- 蓋に蒸気穴が開いてる
- あまり重くない(豆を入れて振ることを考えて)
鍋蓋は必須で、蒸気穴の開いているガラス製のものがおすすめ。
透明なので豆の状態がわかりやすく、穴が適度に煙を排出してくれる。
私が使っているのは、直径が16㎝の鍋。
1度に焙煎する量が100g~200gならこれくらいのサイズが丁度いい。
カセットコンロ(ガスコンロ)
普通のもので大丈夫。
最近のキッチンコンロには温度センサーが付いていて、これが鍋焙煎と非常に相性が悪い。
鍋を持ち上げたり温度が一定以上になると、自動で火力が下がってしまうので、キッチンコンロでやろうとすると温度管理が非常に難しい。
カセットコンロにはこの機能が付いていないので火力を一定に保つことができ、狙い通りの焙煎ができる。
ザル、バット
100均などで売っているものでOK。
30㎝×20㎝くらいが丁度よく、煎り上げた豆を鍋からあけるのに使う。
うちわ
焙煎した豆を冷ますのに使う。
ストップウォッチ
スマホなどのタイマーでもOK。
焙煎の大まかな流れをつかむのに有効で、焙煎中の豆の変化の目安や、次の焙煎の参考にもなる。
[ラップ機能]があると、1ハゼや2ハゼの時間を記録できるので便利。
温度計
無くても出来るけど、予熱温度や焙煎中の温度を測るのに便利。
私は[放射温度計]というのを使っている。
片手鍋焙煎の方法
これが焙煎前の生豆の状態。
基本の鍋の振り方
【今回の焙煎】
- 使用する豆:タンザニアAA
- 生豆量:120g
- 目標焙煎度:中深煎り
鍋焙煎では基本的に、
- 鍋を3秒火にかける
- 前後に3~4回振る
これの繰り返し。
また、2~3回に一度鍋を傾けて振ると、煎りムラが少なくなりオススメ。
【基本の振り方】
- 3秒火にかける
- 鍋を前後に3~4回振って豆を撹拌する
予熱
いきなり豆は投入せず、まずは鍋を予熱。
予熱完了の目安は豆の量にもよるけど、放射温度計で鍋底を測り200℃になればOK。
予熱が終わったらストップウォッチをスタートし、豆を投入。
- 最初に鍋を予熱する。(鍋底が200℃)
- コンロの火力は、ゴトクの半分くらい
予備焙煎
この段階では豆の内部までしっかり火を入れ、適正な水分量にするのが目的。
【焙煎開始2~3分】
豆の温度が160℃くらい。
水分の蒸発が始まり、蓋に水滴が付着してくる
緑色だった豆が徐々に白っぽくなり、青臭さが薄れてくる。
【焙煎開始4~5分】
豆の温度は175℃。
豆色が白から黄色に変化し、だんだんと甘い香りがしてくる。(メイラード反応)
【焙煎開始6~7分】
豆の温度は185℃。
豆が黄色から明るい茶色に変化し、少し縮んでくる。
6~7分で185℃に到達するのが理想。
遅すぎても早すぎてもよくないので、なるべくこの間に収まるように。
本焙煎
適正な水分量になったので、ここからは好みの焙煎度に仕上げていく。
【焙煎開始11分】
豆の温度は210℃。
この辺で「ポンっ、ポンっ」という音が鳴り始める。
『1ハゼ』という現象で、これが連続で鳴るようになったら火力を半分にし、鍋の振り方を少し変える。
【1ハゼ時の振り方】
- 鍋を前後に3~4回振る
- コンロに置き、蓋を一度開けて閉める (new)
- 鍋を前後に3~4回振る
これを1セットとして、「ポンっ、ポンっ」という音が落ち着くまで続ける。(約1分~1分半くらい)
- 1ハゼ前は、煙が濃くなってくる
- 蓋は完全には開けず、斜めに立て掛けるように開けるとやりやすい
音が落ち着いたら蓋の開閉はストップし、火力を少し上げる。
再び【基本の振り方】に戻して鍋を振っていく。
【焙煎開始12~15分】
浅煎り~中煎りに仕上げる場合は、蓋を開けて豆の状態を確認しながら焙煎を進めていく。(今回は割愛)
【焙煎開始16~17分】(1ハゼから約5分、+20℃前後)
1ハゼから5分程経ち、豆の温度が230℃ぐらいになったら「ピチピチピチ」という音が鳴り始める。
『2ハゼ』という現象で、この音が鳴り始めたらコンロを消化する。
煎り込み
煎り込みは、豆を毎回同じ焼き具合に仕上げるための微調整のようなもので、この辺は好みなのでやらなくても大丈夫。
火を消した状態で鍋を振りながらこまめに蓋を開けて、
- 豆の色
- 表面のシワ、ツヤ
- 煙の量
などを見て豆の状態を確認し、「ここだっ!」と思ったタイミングでザルに出す。
今回は2ハゼが鳴り始めたら消化し、30秒煎り込み。
(豆によってその都度タイミングは異なり、最初の内は少し難しいけど何度か焙煎するとわかるようになってきます。)
- 鍋の内側が黒なので、実際よりも豆が黒く見える
- 最初は豆の色や煙の量で判断し、慣れてくるとシワや音にも気を配ってみる
冷却
ザルに出した豆をうちわを使って冷ます。
焙煎が終わった豆は、そのままにしておくと余熱でドンドン火が入ってしまうので、素早く冷却する必要がある。
豆を触ってみて人肌程度になっていたら焙煎完了。
お疲れ様です!
- バットにザルを重ねた状態で豆をあけ、ある程度チャフを落としてからザルだけ持ってうちわで冷ますと、チャフがあまり舞わずおすすめ
- 同じ鍋で連続して焙煎する時は、10分以上あける
自宅焙煎で自分だけのコーヒーを!
長々と解説しましたが、一度やってみるとだいたいのコツが分かってくると思います。
10分~11分で1ハゼが鳴り出すのを目安にするとうまくいくことが多い。
味作りのポイントは、
- 予備焙煎をしっかり行うこと
- 1ハゼまでを段階的に進め、基礎部分をしっかり作ること
火の通りが早すぎると中まで火が通らずに渋みが残り、時間をかけ過ぎると風味がなくなって味気のないコーヒーになってしまう。
自分で作るコーヒーは、お店で買うよりなんだか特別で心なしか美味しく感じる気がする!
何度か焙煎しているとコツが掴めてくるので、ぜひチャレンジしてみてください。
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